デザインチームの三好です。
今回はデザイナーっぽいこと書きます。
「アートは自己表現、デザインは問題解決」という言葉をよく聞きます。 個人的には100%そうだとは思っていませんが(稀にデザインがアートに、アートが問題解決になることもある)、やはり基本的には明確な問題に対してアプローチしていくものであることに間違い無いかと思います。
一般的にデザイナーとはセンスに長けている必要があると思われがちですが、あくまで感性とは問題解決というゴールに向けてより達成しやすくするための補助であり、最も重要なのは「問題解決能力に長けている」ことだと私は考えます。
オリジナリティを0から生み出す創造性というよりは、培った知識や経験を駆使して1から組み立てていくというほうが正しいかと思います。
では最近作成した開発チームTシャツの制作過程を例に説明してみたいと思います。
以下デザイン案です。
社内デザイン物の中で今回の開発チームのTシャツはかなり自由度の高いデザインが許されるものです。 かといってただビジュアル要素のみ重視して制作しても問題解決にはなりません。 まず最善の答えを設定します。 例の場合、最初に課せられた効果は以下になります。
①エンジニアを感じさせるもの ②イベント登壇時に着るイメージ
まず登壇時に着用する際のアピールとして前面プリントを選択しました。 かつイベント着席時に後方の参加者からも認識してもらえるように社名ロゴを背面に配置。
開発チームのテーマである「保育をハックする」をメインに置いて(いくつか違うものも混ざってますが…)、インパクトの強い言葉に共鳴させるためボディは黒にしました。
後は「ハックする」を軸にしてイメージを具現化していきます。 今回は主に図形を使って効果の強度を高めていきました。
例えば、図形を壁に置き換えてそれを線で打ち破っていく、”既存のルールを壊していくハッカー”を表現してみたり。
最終的には女性が着用することも考慮し、ユニセックスな要素のあるデザインで落ち着きました。 多色なラインのデザインはエンジニアに馴染みのあるターミナルカラーをイメージしています。
デザインは制作した全ての行為を言葉で説明できなければいけません。 明確な目的がある限り全てに意味がなければならない。
デザインは絶対的に他人に向けて発信されるものである為、説得力が必要になります。 自己犠牲なくして成り立たない仕事だと思っています。
1つの制作物を作るまでには思考する時間とチーム内での協力(客観的視点やレビュー)が必須です。 特に私の場合は油断すると抽象的な方向へ飛んでいってしまうので、チームからの冷静な指摘があってようやくデザインとして成り立っていきます。
では、次回はデザインがいかに地味な作業の積み重ねかということをお話ししたいと思います。