ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

できることもできないことも増えていく。ユニファ開発チームの2019年を振り返る

みなさまメリークリスマス、ユニファCTOの赤沼です。

UniFa Advent Calendar 2019 もついに最終日。この記事を読んでいただけているということは私もちゃんと役目を果たせたということで仕事納め気分です(まだ早い)。

さて、2019年ももうすぐ終わりですが、今年もユニファではスタートアップらしく、一年の間で色々なことがありました。その中で今回は開発に関連するトピックを雑に振り返った後で、最近思ったことを書いてみたいと思います。

プロダクトの追加・拡大

プロダクトに関連することとしては、念願の一つであったルクミーフォトのリニューアルを実施しました。2013年創業時のファーストプロダクトであるルクミーフォトは、サービスの立ち上げスピードと初期ユーザ獲得を最優先としていました。リリースから時間も経ち、サービスのフェーズも変わってくるとどんなプロダクトでもレガシーな部分に対するコストが増大していきます。ルクミーフォトも今後のサービス拡大やユーザビリティ向上のためにも今リニューアルすべきという決断のもとリニューアルを実施しました。リニューアル中は大きな機能追加等はできなくなりますので、ビジネスのメンバーからも多大な協力を得て実現することができました。

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また、今までリクルートマーケティングパートナーズさんが開発・運用されていた保育園向けICTサービスである Kidsly を、弊社の販売パートナーであるフレーベル館さんを経て事業譲渡いただき、弊社での開発・運用が開始しました。すでに多くのユーザに利用いただいている大規模なサービスの移管は弊社でも初めての経験で、手探りなことも多かったのですが、無事に完了し、今後のユニファの保育園向けICTサービスの中核となっていくプロダクトが加わりました。

kidsly.jp

ルクミー午睡チェックも正式リリースから一年が経過し、弊社初のIoTサービスとしてまずは1年間運用が行えたことにホッとしています。導入数も順調に伸びていますので、今後も安心・安全を提供するプロダクトとして安定的な開発・運用を続けていきたいと思います。

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開発チームのスケール&開発プロセス改善

開発チームとしても体制が大きく変わりました。今年だけでも開発チームに19名の新メンバーが加入し、今までの倍の規模になりました。また、そのうち11名は外国籍メンバーということで、一気に多国籍チーム化が進みました。開発者採用はスタートアップにとっては特に厳しい市場環境である中、これだけのメンバーに入社いただけたのは本当に嬉しい限りです。

エンジニア以外にもディレクターやデザイナーメンバーも増え、各ロールでのチーム体制や、ディレクターを中心としたプロダクト開発体制も以前より充実させることができ、スクラムを主軸としたアジャイル開発プロセスのプラクティスも積極的に導入しています。ビジネスメンバーも含めたプラクティス浸透のための取り組みもメンバーが積極的に実施してくれているので、今後さらにプロセスの改善が進めていけるのではないかと思っています。

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R&Dのメンバーも増員され、主に Machine Learning / Deep Learning 領域について今まで以上に幅広く取り組むことができてきました。ビジネスメンバーとも連携して、企画案についての技術的な実現可能性の検討なども行なっています。スタートアップでR&Dチームを置いているケースはあまりないと思いますが、我々が目指すスマート保育園の実現のためには欠かせないと思っています。

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デザイナーも人数が増え、やっとチームと言える形になってきました。自社プロダクトのデザインはもちろん、外部向けの露出も増やしていくことができそうですし、社内全体においてのチーム作りという点でもデザインが持つ力は大きいと思っています。

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ちなみに入社時から現在の規模になるまでのチームのスケールについては、今年の CTO Night & Day での登壇時にお話しさせていただき、下記の資料も公開しています。

prezi.com

技術ブランディング注力

今年多くの開発メンバーが入社してくれたということは、年始の段階でもそれだけの採用を見込んでたということで、今まで以上に外部向けの技術ブランディングに注力した年でした。以前から継続していた開発者ブログもメンバーが増えたことによって投稿数も大幅に増え、今回のような Advent Calendar が成立するまでになりました。昨年末からスタートした Podcast も不定期ながらなんとか継続し、今月で一年が経過しました。またカンファレンスのスポンサーも初めてやらせていただき、RubyKaigi や builderscon でスポンサーさせていただいた他、 RubyWorld Conference や ServerlessDays Tokyo、 プロダクトマネージャーカンファレンス等ではブースも出させていただきました。当日は登壇させていただく機会があったり、ブースにお越しいただいた方と色々とプロダクトについてお話しさせていただいたり、私たちとしても世界が広がっていく感覚を持つことができました。さらには自社単独や他社との共催での Meetup イベントも開始し、参加いただいた方の中から入社が決まった方もいました。

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これらの実行については準備段階から実際の運用まで、今までの規模では行うことが難しかったですが、メンバーが増え、それぞれ積極的に協力してくれたからこそのもので、開発だけではなく人事や広報等の他の部署のメンバーの協力もあったからこそ実行できたものです。その甲斐あって最近他社の方と会って話をする際に、ユニファのことを目にしたことがある方が増えてきた感触がありますし、すでに繋がっていた方からも、露出機会の多さに注目いただくことが増えました。

また、今年はユニファ開発チームから初めて海外のTech系カンファレンスに1人ではありますが参加することができました。AWS re:Invent や Google I/O、 WWDC など、海外のカンファレンスは日本のものとはスケールが違いますし、最新の技術情報のキャッチアップももちろん重要ですが、何よりテクノロジーに対しての盛り上がりを実際に体験してくるということはとても重要なことだと考えています。来年以降どうなるかはまだわかりませんが、ひとまず最初の一歩が踏み出せたという点では前進できたと思っています。

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できることが増えてきた。でもできないことも増えていく

ここまでは主に今年やったこと、規模が大きくなったことでできるようになったことをお話ししてきましたが、一方で、できないことも増えてきているとも感じています。規模が小さい時には、今後人数が増えてくればどんどんできることも増えていって、できないことは減ってくるイメージをしていましたが、実際に開発チームや会社全体の規模が大きくなってくると、もちろんできることが増えてきてはいるものの、今までとは違ったできないことが増えていっているという感じです。

プロダクト数や開発チーム、会社規模が拡大してくると、工数などの問題以外にも様々な力学が発生してきます。また、人が増えればやりたいことの総数も増え、指向性も多様になっていき、いずれかを選択せざるを得ないケースも増えてきます。さらにスタートアップとしては対象とする業界の情勢や自社の状況などは日々めまぐるしく変わっていきます。

こういった中では、会社も個人も自分を変えていき、向上させていく必要があります。自分が今までと同じアウトプットを出していたとしても、周りが変わっていき向上していく中では、相対的に自分達のバリューは下がっていってしまいます。

一方で、どれだけ変化する状況の中でも変えてはいけないもの、守らなくてはいけない大事なものがあるのも確かだと思っています。この、変えていくべきことと変えてはいけないことの判断は簡単ではありません。痛みを伴ってでも変えるべきことなのか、流されずに抗うべきことなのか、この判断がとても難しいと最近は感じています。経営、チーム、プロダクト、どの面を取ってもこの判断を間違えた場合、リカバリが困難になる可能性があります。

日々の 1 on 1 等でメンバーと話す中で上がってくるボトムアップでの課題、マネージャー陣から上がってくる会社組織としての改善点、経営陣と話す中で論点になる事業上の問題点など、それぞれ違った視点から、みんなもっと現状を改善したいという想いで様々な課題があげられます。意思決定をしていく立場としては、上がってきている課題は適切な内容か、自分の判断は会社の経営者として正しいのか、CTOとして開発視点から通すべきことを主張できているか、単にメンバーの要望に迎合しているだけになっていないか、他の経営陣の声に流されていないか、セクショナリズムを排除してフラットに判断できているか、こういった様々な思いが日々渦巻いています。

自分の判断が正しかったのかどうかはその瞬間にはわかりません。後になってわかるものです。そうした中で意思決定していく上で大切なのは、自分の中で芯のある結論を出せたか、これで間違っていたら仕方ないと思えるような、これならメンバーにどう思われても仕方ないと思えるような決断になっているかなのかなと思っています。なんとなくで決めてしまったものは失敗することも多いですし、その後もモヤモヤしたものが残りがちです。もちろん考え抜いた上で決定したことでも失敗することはあるのですが、その場合には自分の中で整理もつけやすく、次に向けてピボットしていける気がしています。要はそれぞれの意思決定に対して自分にも他者にも真摯に向き合って手を抜かずに考え抜けたかどうかなのだと思っています(できているとは言ってない)。

来年も保育をハックする

さて、とりとめもなく色々と書いてしまいましたが、我々ユニファ開発チームは来年も保育をハックしていきます。この「保育をハックする」というのは我ながら開発チームのマインドを一言で表していて良い感じだなぁと思っています。また、上記で色々と書いたように組織としてももっと強くしていく必要がありますので、チームをハックしていくことも必要だなと思っています。今年は技術ブランディング等で外向けの施策にも注力していましたが、来年はどちらかというとチームを強くしていくための内部的な施策に重点を置きたいなと思っていますので、保育をハックしていくためのより強いチームを作っていけたらと思っています。一緒に保育をハックしていくためにチームに加わっていただける方もまだ募集していますので、興味のある方はぜひご連絡ください。

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今年の Advent Calendar の記事としてはこれが最終回となりますが、今後もいろんなところで露出していけるように頑張りたいと思います。また、一年後に2020年を振り返った時に、あの決定は正しかったと言える決定を一つでも増やせるように取り組んでいきたいと思いますので、このブログを始め、引き続きユニファをよろしくお願いします。それでは、良いお年を。

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