こんにちは、PdM(プロダクトマネージャー)の田嶋です。
プロダクト開発において、何を置いても大切なのは、顧客に「使われる」こと。そして、そのために顧客を「よく知る」ということ。 理想を求めるばかり、最近は基本を忘れかけていました。改めて思い出すためにもこのブログを書こうと思います。
教科書的な保育思想に囚われて、理想の世界を作ることを意識しすぎてた。
— Tajiyyy / PdM @ユニファ (@tajiyyy) 2020年8月12日
あくまで我々がやるべきは、顧客のペインを解決すること。
「価値の押しつけ」とならないように。
これから新規事業に取り組まれる方にとっても、「使われる」を目指すペインの超入門編として参考にして頂ければ幸いです。 ※特定の参考文献はなく、様々な知識の寄せ集めのため、別の理解があればぜひ教えてください。
【目次】
■1.顧客に使われなければ始まらない
大前提として、下図の「作れる」領域でしか事業化できず、★領域でしか事業は持続できません。
では、「儲かる・作れる・使われる」のうち、第一に私たちが意識すべきは何でしょうか? それは、顧客に「使われる」ことです。
時は遡ることX年、高度経済成長の最中では、作れば売れる時代もあったそうですが、供給過多の現代においては、顧客に「使われる」ことのハードルが上がっています。 この状況において、単に「作れる」モノを作っても、使われず無駄になる場合がほとんど。顧客に「使われる」確度の高いモノを、後から「作れる」か検討すれば良いでしょう。
※ここで指す「作れる」とは、技術的な可否だけを想像しがちですが、「既存リソースの強み,制約」と捉えておくと、後に"ビジネス上の要件"として働くため、事前に整理しておくと良いかもしれません。
また「儲かる」については、「作れる・使われる」を見込めない状況では値決めすらできないため、考えるのは最後です。マネタイズ方法は、これから私も勉強したいと思っているところです。
■2.課題解決型を狙う
顧客に「使われる」を目指すにおいて、新しい領域に事業展開するには大きく分けて2通りのビジネスがあります。 それは、「価値提案型」と「課題解決型」です。
両者を比較した際、ビジネスとして成功しやすいのは「課題解決型」だと思っています。 その理由は、人間は悩みが切実なほど、お金を払ってでも解決したいと考えるからです。この "お金を払ってでも解決したい切実な痛み" を「ペイン」と呼び、ペインの解決を通じてお金を得ることがビジネスとなります。
一方で「価値提案型」の場合は、新しいビジョンや価値観によほど強い共感を得られない限り、浸透させることが難しい印象です。
まさに今私の取り組む "保育施設の先生向けプロダクト" においても、この方向性で悩んだ時期がありました。特に教育事業においては、こうあるべき!という理想が掲げられる一方、現場とはギャップがあることもしばしば。 保育書籍のインプットから始めた私にとって、インタビュー訪問を通じた現場の実態と、どのようにバランスを取るべきかに苦しみました。 しかし、顧客の共感を得られない価値提案型は、それこそ「価値の押しつけ」となりかねません。 仮に売りたいものが新しい価値だとしても、ビジネスとしては課題解決を謳う方が顧客に受け入れられやすい。認識を改め、現場の先生方のペインを探りました。
■3.課題の深いペインを狙う
さあ、解決すべきペインを見つけよう!と意気込む訳ですが、一概にペインと言っても、より「使われる」に足る "ペインの質" の見極めが重要です。
では、「課題の深いペイン(=お金を払ってでも解決したい、より切実な痛み)」とは、どんなものでしょうか?
それは、「既にコストを払って対策しており、それでも解消できない不満」です。コストとは、金銭だけでなく、時間的や労力的なものでも良いでしょう。痛みが強いほど解決したい想いとなり、対策(コスト)として現れているはず。このコストを大きく払っているほど、より課題の深いペインとも言えます。
そして、現状より低いコストで不満解消できる手段(=新サービス)を提供できれば、顧客はぜひ乗り換えたいと思うでしょう。
このペインを探るにあたり、注視すべきは顧客の行動です。 既にコストを払って対策を取っているか?行動の事実をきちんと確認します。一方で「課題だ」「困ってます」と口で言うだけの事象は、そもそも解決に懸ける想いが弱いため、もし新サービスを提供しても、「お金を払うくらいなら今のままで十分!」と、使われる可能性は低くなります。
ただ、便利な世の中になったもので、私たちの日常生活は不便の少ないものになりつつあります。(未来の自分が見たらどう思うかな?笑) "顕在的なペイン" は、既にサービス化されているか、訳ありで解決されていない場合かが殆どでしょう。そこで私たちは、"潜在なペイン" にも目を配らせます。普通という価値観は、環境に依存しやすく、傍から見ると異質なことも。顧客が当たり前と思って取り組むことは、意外と本人がコストと気付いていない場合も多くあります。だからこそ、私たちは顧客の行動を注視し、顧客を「よく知る」ことが大切です。
〜おわりに〜
これまで、 ・事業における「使われる」ことの重要性 ・「使われる」には課題解決型、課題の深いペインを狙うと良いこと を説明しました。
引き続き、顧客に使われることを目指して、顧客と向き合っていきます。くれぐれも「価値の押しつけ」とならないように。
以上、ありがとうございました!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ユニファでは、新たな仲間を積極採用中です。 プロダクトマネージャーも大絶賛募集中!よろしくお願いします! herp.careers