ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

マネージャーの最初の仕事は嫌われること論

Lemur Looking Up こんにちは。人間中心設計(HCD)専門家のやまぐち(@hiro93n)です。

主にプロダクトマネージャーやQAエンジニアの部署でマネージャーをやっています。キャリア的にはデザインの部署のマネージャーのやりたさもあるのでデザイナーにかかる課題解決などにも首を突っ込んでいます。マネージャーばかりでゲシュタルト崩壊しそうですね。自分はしました。

そんなわけでこの記事はユニファAdvent Calender 2020、22日目の記事です。

いいマネージャーになりたい人ほどマネージャーをクビになる

さて、社内では「我こそはマネージャー」みたいな顔をしていますが、ユニファに入社するまでこれまで少なくとも3度はマネージャー(この場合はプロダクトマネージャーなどのマネージャーではなく、いわゆる課長とか部長のマネージャー)をクビになっています。

これは持論ですが、ユーザーのため、チームの力を最大化するぞ!といったことに興味を持ち仕事にしている人(自分のようなHCD周りの人など)がマネージャーになるとできる限りメンバーの話を聞き、受け入れ、いい人であろうとして、全ての課題を解決しようとすることが多いように思います。

そしてそういうマネージャーは気づくとメンバーに嫌われ、結果も出ず、疲弊し、下手すると組織批判側に回ったりしてマネージャーから下ろされます。人の役に立ちたいと思っているのになぜメンバーに嫌われなくてはならないのかという呪いから解けたのは、自分もここ1,2年くらいの話だったかもしれません。

いい人であることというと聞こえはいいのですが、これは嫌われたくない気持ちから出ていることであり、最終的にはメンバーではなく自分を大事にしている行為です。メンバーに嫌われるからこの施策はできない。望ましくない行動を指摘できない。一緒に会社の悪口に加担してしまう。客観的に見るとそれってただのマネジメント失格な人にしかなりません。では、いい人ではないとはどういうことでしょうか?

いい人をやめて、悪人になれ?

いい人ではない=悪人なのかというと、そんなことはありません。一緒にチームとして働く上で邪悪な人はそんなにいないものです。邪悪になれ、と言うような記事であれば、この記事はこのように公開されることもないでしょう。

いい人の中にも、短期的ないい人と、中長期的ないい人がいます。サービスの改善施策でも似たような概念があって、一見「これはユーザーのためだ!」と見える施策であり、短期的には特定のKPIが爆増することがあっても、中長期的にはむしろ副作用の方が大きいような施策になってしまうことはよくあります。

ユーザーのためというのは別にユーザーにおもねったり言いなりになることではなく、結果的に得られる価値を最大化することだと自分は考えています。これはマネジメントをする上でも同様で、短期的に好かれる、印象がいいと言う選択肢をとった結果、事業が成長せずメンバーも評価されず誰も幸せにならないと言うことが起こるのです。

当たり前ですが私たちは全ての人を幸せにすることはできません。選択によってはどうしても幸せにできない人も出てきます。仕方ないです。我々は神様じゃないわけで、そこまでの力があればおそらくここではないどこかでもっと別のことをしていることでしょう。

でもやっぱり嫌われたくないあなたへ

話がブレたので戻します。マネージャーに求められていることは単純で、結果を出すことです。結果が出ると事業が成長し会社にお金が増えメンバーのやりたいことを叶えられる原資が増えお給料が上がります。「課長はすごくいい人でした。でももっとレベルの高い仕事がしたいので」と転職される可能性も下がるかもしれません。

理屈は分かった、じゃあそれはどうすればいいのか?そしてできる限り、いや、ほんと、やっぱり嫌われたくない。

自分のやっていることは、そういう判断軸を持っていることをメンバー含め周囲に開示することです。邪悪な意志や人の好き嫌いで話しているわけではなく、その方が結果が出そうだからという軸で話していると。

そういう判断軸を持ってる人は嫌いというメンバーに嫌われるのは仕方ありませんしさっさと諦めます。そして、自分以外の人であってもあなたが思っているより邪悪ベースでの判断をしてる人は少ないんだよと話します。

「私のことが嫌いだからあんなことを言っているのだ」と思うと、その人との仕事がやりにくくなります。「明日もあさっても私のことを恨んでいるのだ」と思うと、どんどん近づきにくくなります。でも人はそんなに誰かに興味を持っていないですし(誰かに興味を持つのって疲れますよね…)、ましてや会社で一緒に協力しなければならない人にいちいちイライラを持ち続けていることは珍しいことです。

自分の中で「これはメンバーに対し厳しく言ってしまった」と1ヶ月悩んでいたとしても、相手はそんなこと翌朝には消え去っていることもざらにあるでしょう。もちろんそれは言う内容のことであって、大声で恫喝していいなんて話ではありません。

三方よしへの近道はメンバーに好かれることじゃない

好かれようと色々と思考を巡らせても、結果を取りに色々厳しく言ったとしても、多くの場合、マネージャーなんてメンバーの人生からすれば「どうでもいい人」です。

それならば、最終的に三方よしでみんなが幸せになった方がいいですし、自分ばかりこんなに我慢して…なんて気持ちを貯めているよりも自分の考えを素直に話し、そういう期待値で周囲に接してもらえるようになることの方が、心理的安全性も高くあなたの理想とする組織を作るための権限にもより早く近づけると思います。

3回もマネージャーをクビになったやつが言ってることなんて信用ならん!ということもあると思うのでひとつだけフォローすると、マネージャー3回目のクビを迎えた会社では、最終的に更に上の立場でマネジメントすることになりマネージャー復帰しました。そして今この記事を書いている時もまだユニファでマネージャーをクビになっていないので、ある程度はアテになるんじゃないかと思っていただけると嬉しいです。

こんなことを考えているマネージャーがいるユニファでは、一緒に事業を成長させてくれる方を募集しています。ご興味のある方は下記からでも、TwitterDMからでも気軽にご連絡ください。ご転職の有無にかかわらず、人間中心設計やUX界隈の議論もいつでもお待ちしています。

unifa-e.com

www.wantedly.com