こんにちは。ユニファでプロダクトマネージャーをしております、かじわらです。ユニファはこれまで、保育現場の安心・安全を支えるIoTデバイスとして「午睡センサー」を提供してきました。午睡センサーの新型機は、2025年6月から運用が始まり、実際に保育の現場でご利用いただいています。今回は、プロダクトマネージャーとして携わった新型機の開発についてまとめたいと思います。
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2. 開発プロセスのハイライト
新型機の開発では、試作機を7種類以上製作し、各試作機を用いて入念に検証を重ねてきました。試作段階では、実際に利用していただいている保育施設を訪問し、試作品を触っていただきながらヒアリングを実施。また、社内の営業メンバーにも実機に触れてもらい、使いづらい点や改善点に関するフィードバックを集めました。
検証を進める中では、BLE接続を確認する専用アプリを開発し、製造会社ともこのアプリを用いて認識を揃えることで、スムーズなコミュニケーションを実現しました。
すべてが順調に進んだわけではなく、課題が発生する場面もありました。問題が発覚した際には製造会社を迅速に訪問し、その場で解決策を検討・実行。こうした山場を乗り越えながら、無事に2025年6月の運用開始に漕ぎつけることができました。
3. 技術的チャレンジ
新型機では、「消費電力の改善」「内部構造の見直し」に加え、「電源オン・オフ機能の搭載」によって、電池寿命が従来の約4週から約8週へと約2倍に向上しました。
当初は電池寿命がなかなか改善されず、苦戦した部分もありましたが、製造会社の粘り強い調査と調整の結果、大きく寿命を伸ばすことができました。この改善結果には私自身も驚きましたし、社内のメンバーもその数値を聞いて驚いていたのが印象的でした。
4. プロダクトマネージャーとしての関わり
私はプロダクトマネージャーとして、現場および社内から得た声をプロダクト仕様へ落とし込み、開発チームや製造会社との細かな調整を通じて、最終的なセンサーの形に仕上げていく役割を担いました。
たとえば、センサーの電源をオン・オフする「長押し秒数」を2秒にするか3秒にするかで悩んだ場面もありました。最終的には、現場の保育士さんが日々の業務でスムーズに使えることを最優先に、2秒を採用しました。
また、検証フェーズでは1歳の息子にも協力してもらい、自宅で体動検知の挙動確認を行いました。息子はただ寝ているだけでしたが、センサーがどのように反応するかを確認できたことで、現場に近い形での検証が実現でき、思いがけない問題発見にもつながりました。息子の協力には本当に助けられました。
5. 開発を通じて得た学び
今回の開発を通じて、初期段階での優先順位の明確化と、それを軸にした丁寧な合意形成の重要性を改めて感じました。特に検証フェーズでは、実際の運用に近い状況を想定した確認が不可欠であり、感覚的な「違和感」に対しても立ち止まり検討できる体制の重要性を再認識しました。
検証時の些細な気づきを共有しやすい仕組みや雰囲気をつくることが、今後より一層重要になると感じています。仕様面・検証面の両面において、「ちょっとしたズレ」や「気になり」を拾い上げ、早期に対応へつなげていくことの価値を実感しました。これらの学びを今後のプロダクト開発にも活かしていきたいと思います。
6. 開発後の感想
これまで私がプロダクトマネージャーとして携わってきたのはWebアプリやモバイルアプリが中心でした。今回の午睡センサーでは、初めてハードウェア開発に関わることになり、戸惑う場面も多くありましたが、BLEや加速度センサーなど、これまで触れてこなかった領域に深く関われたことは非常に貴重な経験でした。
実際に手で触れるフィジカルなプロダクトを自分たちの手で作れるという喜びは大きく、開発過程で多くの方に助けていただきながら、最後まで楽しく取り組むことができました。このようなチャレンジの機会を与えてくれた会社、そして支えてくれたメンバーに、改めて感謝しています。
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