こんにちは、ユニファでEMをしているなかむらです。
早いもので入社して9ヶ月が経ちました。
EMとして複数のプロダクトを担当していると、日々発生するタスクの管理に課題を感じることが多々あります。
- 議事録を作成する際、決定事項を別のツールに手動で転記する手間
- Slackでエンジニアと会話している最中に「これ、後でやろう」と思ったタスクを記録するのを忘れてしまうこと
- 仕様書や設計書を読んでいるときに、不明点や修正点をメモする場所が定まらないこと
- 「ああ、あの件、どこにメモしたっけ…」と、タスクを探す時間の無駄
- 一度登録したタスクの最新化に時間がかかってしまう
そんな中、社内でCursorの利用が始まり、コーディング以外の目的でも利用できるといいなという思いとこの課題を解決できるかも、と感じたので試してみることにしました。
Cursorを「タスク管理ツール」として試してみたこと
基本的な内容でどのような動作になるのか知りたかったので以下としました。
- 気軽にプロンプトから登録、更新、完了を実施できるか
- 登録しているタスク状況をわかりやすく表示できるか
準備
まず、ワークスペースの中に管理するタスクを書き留めておくためのファイルの作成から開始しました。 管理するファイルはAIが理解しやすいMarkdown形式のファイルとし、中身はどのような登録になるのかを試したかったので空欄のままとしました。
/Users/xxxx/Ws/ └── tasks.md
気軽にプロンプトから登録、更新、完了を実施できるか
実際にCursorを使って、以下のようなタスク管理における基本的な動作を何点かプロンプトより実行し、どのような結果になるのか試してみました。
- 連絡帳の改修仕様書確認の登録
- 連絡帳の改修仕様書確認を連絡帳の改修仕様書レビューへ更新
- 連絡帳の改修仕様書レビューを完了
- クラスボードの開発進捗MTGを来週月曜日に登録
- クラスボード開発進捗の期限日を10/3に変更して
タスクの新規登録
「連絡帳の改修仕様書確認を登録してください」のようにプロンプトから指示してみました。「今日、今週、今後、完了」といったタスクカテゴリが自動的に追加された後、期限を設定していなかったためか「今後のタスク」へ追加されました。 「クラスボードの開発進捗MTGを来週月曜日に登録」のように期限を設定して指示したところ、「今週のタスク」として登録されていました。来週月曜日が期限のため、「今週のタスク」に登録されたようです。
## 今日の優先タスク ## 今週の優先タスク - [ ] クラスボードの開発進捗MTG(来週月曜日) ## 今後のタスク - [ ] 連絡帳の改修仕様書確認 ## 完了したタスク
タスクの更新・修正
「連絡帳の改修仕様書確認を連絡帳の改修仕様書レビューへ更新」と「クラスボード開発進捗MTGの期限日を10/3に変更して」という2つの指示を実施してみました。
タスク名変更のみの指示は意図通りに変更されました。10/3への期限日の変更の方はタスク名の変更は行われましたが「今後のタスク」ではなく「今週の優先タスク」のままでした(記事作成時2025/9/25)。
試しに「来週の優先タスクカテゴリ」をプロンプトから追加したところ、「クラスボード開発進捗MTG」タスクも合わせて移動してくれました。
## 今日の優先タスク ## 今週の優先タスク ## 来週の優先タスク - [ ] クラスボードの開発進捗MTG(10/3) ## 今後のタスク - [ ] 連絡帳の改修仕様書レビュー ## 完了したタスク
タスクの完了処理
「連絡帳の改修仕様書レビューを完了して」という指示に対しては、完了したタスクを適切なセクションに移動し、完了日も自動的に記録してくれました。
## 今日の優先タスク ## 今週の優先タスク ## 来週の優先タスク - [ ] クラスボードの開発進捗MTG(10/3) ## 今後のタスク ## 完了したタスク - [x] 連絡帳の改修仕様書レビュー
ここまでの印象
- 登録、内容の変更、完了のようにタスク管理に必要な基本的なことは簡単にできそうな印象を受けました
- ルールを決めていないので、何度か試しているとタスク追加時に結果に違いが出ることがあったり、Cursorが日付を忘れることがあり、意図するところにタスクが追加されなかった場合もありました
- 2025年9月(執筆時)に対して2024年12月と認識していた
- 時間やカテゴリを意識して正しくタスクを管理させるためにはルールを定義した方が良さそうだということがわかりました
登録しているタスク状況をわかりやすく表示できるか
先ほどの基本動作の結果を踏まえてルールを作成し、わかりやすくタスク管理ができるかを試してみました。
ルールファイルの追加
ルールを定義していくための「task_rule.md」ファイルをtasks.mdと同階層に作成しました。
/Users/xxxx/Ws/ ├── task_rule.md └── tasks.md
人が一つ一つ定義していくと時間がかなりかかりそうなのですが、初期ルールについては先ほどの実施結果をもとにCursorに依頼したところ、ほんの数秒で生成してくれました(素晴らしい)。
- タスクの登録
- カテゴリ分類
- タスクの更新
- 日付の表記
- 定期的な整理
- 注意事項
プロジェクトごとに時系列で把握できるようにしたかったので、プロジェクトごとのカテゴリと時系列でタスク表示を行えるように以下をCursorに依頼して修正を実施してみました。
- 「今日、今週、進行中、今後」カテゴリを削除し「時系列」カテゴリへ変更
- 「連絡帳プロジェクト、クラスボードプロジェクト」カテゴリ追加
- 時系列でタスクを管理できるようにプロンプト実行時に初めに「date」コマンドを実行して今日の日付を確認する処理の追加
- 個別タスクのフォーマットについても定義
- [ ] タスク名 - 期限:YYYY/MM/DD - メモ:詳細
- 生成されたルール(一部抜粋)
#### 時間軸による分類 - **時系列タスク**: 日付別のタスク表示 - 具体的な日付(例:2025年9月22日(月))でタスクを整理 - フォーマット:`- [ ] タスク名(プロジェクトカテゴリ名)` - **完了したタスク**: 完了したタスク(定期的に整理) - **メモ**: その他のメモやアイデア #### プロジェクトによる分類 - **連絡帳プロジェクト**: 連絡帳に関するすべてのタスク - **クラスボードプロジェクト**: クラスボードに関するすべてのタスク ##### プロンプト実行ルール - プロンプト実行時に初めに「date」コマンドを実行してシステム日付を確認する - 日付確認後、適切なカテゴリにタスクを分類する ##### 個別タスクのフォーマット - [ ] タスク名 - 期限:YYYY/MM/DD - メモ:詳細
実施結果
ルールを定義できたので、まっさらな状態から上記で試したことに以下を加えて実施してみました。
- 連絡帳の改修QAを9/30に追加
タスクの新規登録
「連絡帳の改修仕様書確認」については期限が未定なので「期限未定」で時系列に追加されました。「来週月曜日」という指定をした「クラスボードの開発進捗MTG」タスクは時系列に「2025年9月29日(月)」が追加され、そこに記入されていました。 「連絡帳の改修QAを9/30に追加」のように日付を指定した追加についても、時系列への日付が追加され記入されました。 また、全て個別のタスクカテゴリにも、タスクとして追加されていました。
## 時系列タスク ### 2025年9月29日(月) - [ ] クラスボードの開発進捗MTG(クラスボードプロジェクト) ### 2025年9月30日(火) - [ ] 連絡帳の改修QA(連絡帳プロジェクト) ### 期日未定 - [ ] 連絡帳の改修仕様書確認(連絡帳プロジェクト) ## 連絡帳プロジェクトするすべてのタスク --> - [ ] 連絡帳の改修QA - 期限:2025/09/30 - メモ: - [ ] 連絡帳の改修仕様書確認 - 期限:未定 - メモ: ## クラスボードプロジェクト - [ ] クラスボードの開発進捗MTG - 期限:2025/09/29 - メモ: ## 完了したタスク
タスクの更新・修正
「連絡帳の改修仕様書確認を連絡帳の改修仕様書レビューへ更新」「クラスボード開発進捗MTGの期限日を10/3に変更して」という指示も実行してみたところ、時系列タスク、個別プロジェクトカテゴリ両方とも意図する形で変更してくれました。
## 時系列タスク ### 2025年9月30日(火) - [ ] 連絡帳の改修QA(連絡帳プロジェクト) ### 2025年10月3日(金) - [ ] クラスボードの開発進捗MTG(クラスボードプロジェクト) ### 期日未定 - [ ] 連絡帳の改修仕様書レビュー(連絡帳プロジェクト) ## 連絡帳プロジェクトするすべてのタスク --> - [ ] 連絡帳の改修QA - 期限:2025/09/30 - メモ: - [ ] 連絡帳の改修仕様書レビュー - 期限:未定 - メモ: ## クラスボードプロジェクト - [ ] クラスボードの開発進捗MTG - 期限:2025/10/03 - メモ: ## 完了したタスク
タスクの完了処理
「連絡帳の改修仕様書レビューを完了」の指示ついてはルールを定義しない場合の動作に加えて、時系列タスクからも期待値通り削除されていました。
まとめ
ルールを定義することで、登録、変更、完了などの基本的なタスク管理については期待する形で実施できることがわかりました。タスク管理の悩みの一部である「メモすることを忘れる」「メモする場所が定まらない」「タスクを探す時間の無駄」といった点について、思いついたことをとにかくメモ的に追加しておき、後からプロンプトで指示することでCursorがある程度柔軟に期待する形に変更してくれるのではないかとの期待を感じました。まだまだ難しいこともあるかもしれませんが、手間をかけないタスク管理を目指して色々と試してみたいと思います。
※同じ動作にならないこともあるので参考程度にしていただけると幸いです。
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