
デザイナーのようがいです!
2025年12月に開催された TOKYO CREATIVE COLLECTION 2025(TCC2025)にて、ユニファブースのリード役として、ブースの体験設計と制作物のラフ案作成、進捗管理、印刷物の入稿作業などなど幅広く担当しました。
私自身はブース出展に携わるのが初めてでいろいろと手探り状態でしたが、本記事では「コンセプト決め」「コンテンツ決め」のプロセスをふりかえってまとめたいと思います。
出展の目的
まず、上長からは「ルクミー・ユニファの認知拡大」や「将来的な採用の母集団形成に繋げること」と言われました。「来場者からカジュアル面談の申し込みがあると良いですね」とも。
私たちは保育施設向けのICT・IoT・保育AIのサービスを提供しており、主な顧客は保育施設で、そこで働く保育者や保育施設にお子さんを通わせている保護者が主なユーザーです。
一方、TCCの来場者はデザイナーやディレクター、PdMなどが多く、私たちの直接の顧客になることは少ないので、サービスの商談を行うことは除外していました。(お子さんが通う保育施設がルクミーを使っている「保護者ユーザー」はいらっしゃる想定)
リサーチ
目的の確認と並行して以下のリサーチを行いました。
- 過去のTCC参加者のブログ・noteの記事を読む
- 企業イベント出展に関するWeb記事を読む
- 近い時期に開催されていた他のデザインカンファレンスに参加してスポンサー企業のブースに足を運ぶ
3つめのデザインカンファレンスへの参加については、もともとTCCのブース展示担当に決まる前からチケット購入していたのですが、「自分が展示する側になる」という視点をもって各社のブースを訪れたので多くの学びがありました。
デザイナー向けのイベントだけあって、目を引くかっこいいブース造形や、楽しく参加できる展示、新しい技術の活用を見られたり、素敵なノベルティも多く、ブースに足を止めやすいきっかけづくりやSNSでシェアしたくなるようなさまざまな工夫を知ることができました。
2025年秋のデザインカンファレンスの企業ブースの傾向について、自分なりに分析してまとめた中から一部抜粋します。
- ブーススタッフとのコミュニケーションのきっかけ
- 展示物を見ているとスタッフに話しかけられる。スタッフと一緒にブース内を見て歩きながら、展示の説明、会社説明、サービス説明、ワークの説明を受ける(横幅と奥行きが数m以上あるような大きいブースはこちらのパターンが多い)
- ブースの前で呼び込みがある。その際、サービスのデモ・ゲーム・ワークやクイズ・アンケートなどへの参加を促される(横幅2m×奥行き1mくらいのブースはこちらのパターンが多い)
- ノベルティの配布方法
- アンケート参加でもらえる
- かんたんなアクティビティ(ゲームなど)に参加したらもらえる
- かんたんなアクティビティ(ゲームなど)に参加して、SNSで共有したらもらえる
- SNSのアカウントフォローでもらえる
- 配布物・ブース体験の狙い
- 採用
- デザイナー向けの採用関係資料
- 採用情報のWebページへの誘導
- カジュアル面談への誘導
- 自社イベント集客
- meetupなどのイベント告知
- 会社や組織の認知
- デザイン組織のSNSアカウントフォロー
- デザイン組織のブログやnoteへの誘導
- SNS(X)への投稿を促す
- 採用
これらの気づきをコンセプトやコンテンツ検討の参考にさせていただきました。
コンセプトのアイデア出し・方向性決め
「どんなブースになると良さそうか」「来場者に伝えたいこと」「ブースの見せ方」などを決めるため、
- デザインチームでブレスト
- ブレストをもとに1人でアイデア出し
- デザインチームのメンバーに2を伝えながら再度ブレスト
- 再度1人で検討
という流れで、個人・チームでのアイデア出しを繰り返しました。
個人ワークではまず思いついたキーワードや図を紙に手書きして、その後チームでのアイデア出しの土台としてfigjamに書き出しました。


チームでのブレストの中で、「私たちらしく『保育』を推し出そう」「保育園や幼稚園が身近でない来場者もいると思うけれど、そういう人にも自分ごとにしてほしい」という意見が出てきました。
これらは出展の目的にも直結する良いアイデアだと思ったので、その方向性で進めることにしました。
展示コンテンツのアイデア出し
目指す方向が見えてきたところで、展示コンテンツの案を考えていきます。
コンセプトを決めきる前にコンテンツ検討に入ったのは、コンセプトとコンテンツの乖離を避けたかったからです。
当時のデザインチーム事情として、TCCの準備と並行して他の大型プロジェクトも進行していたため、限られたリソースの中で実現可能な設計になっていることも重要でした。
高いクオリティを目指しながらも、コンセプトやコンテンツを等身大以上のものにして、予算や制作スケジュールが足りない・当日スタッフの負担が重すぎる…といったことにならないように抽象(コンセプト)と具体(展示内容・ブース内の配置)を行ったり来たりしながら全体を固めていきました。

目的の再確認
コンセプトとコンテンツを精査する過程で、あらためて次のことを言語化しました。
ブースの目的
- ユニファ・ルクミーの認知拡大
- デザインチーム・開発チームの取り組みを知ってもらう
- 来場者と話す・繋がる
- SNSやブログで紹介してもらえたらなおうれしい
- カジュアル面談の申し込みがあれば目標達成
来場者に感じてもらいたいこと・受け取ってもらいたいこと
- かわいい(ルクミーらしいかわいさが伝わる)
- デザインが良い
- ルクミーの世界観
- しっかりサービスを作っている(サービス作りの過程が伝わる)
- みんなが同じ方向を向いて取り組んでいる
- 保育施設向けの事業内容やユニファの組織に興味が湧き、「メンバーの話を聞いてみたい」と思ってもらえる
避けたいこと
- ブースに行ったけれどどんな会社かよく分からなかった
- 事業・サービスの誤認
- 印象に残らなかった(共感できるところがなかった、興味が持てなかった)
コンセプト、展示の方向性とその理由
これまでの検討内容を踏まえて、コンセプトと展示の方向性を次のように定めました。
ブースのコンセプト
- 来場者が「見る」ブースにする
- ブースが3m四方あり、来場者が立ち入って見て回ることができる広さのため
- 当日ユニファのスタッフはデザイナー以外の開発メンバー(PdM・エンジニア・QAエンジニア)にも入ってもらうので、スタッフからの口頭説明がなくても展示を見れば理解してもらえるようにしたかったため
- スタッフと必ず話す必要がある体験コンテンツの場合、スタッフの負担が大きくなる&スタッフの人数以上の来場者に対応できず、認知機会が失われる可能性がある
- 自分ごととして捉えてもらう、気づきや学びがある
- プロセスやナレッジの共有(デザインのアウトプットそのものよりもプロセスの方が共通性を見出しやすそう)
- 抱えている課題の共有(良いことだけでなく悩みや伸びしろが見えると自分ごと化しやすそう)
- ブースを離れてからも思い出してもらえるための工夫
- ルクミーらしいノベルティ・チラシのお渡し
- ただ「見る」だけでなく、来場者が「能動的に見る」ことが可能な参加型コンテンツを用意。ただし負担にならず気軽に参加できるものにする
- 保育施設向けのサービスであることを主軸にする。デザイン組織の取り組みの紹介などはメインコンテンツにしない
展示のコンセプト
「チーム横断・顧客を巻き込んだプロダクト開発とコミュニケーションデザインのプロセス + 事業と組織の紹介」
サブテーマは「保育をあまり身近に感じていない人にも、自分ごとにできるような気づきを見つけてもらうこと」です。
展示するコンテンツ
プロセスの展示内容については、直近のプロジェクトの中から、コンセプトに合う2つを選びました。
- 連絡帳製本のプロセス:顧客要望から実現したプロジェクトであり、リサーチ・本の表紙や紙面のデザイン・購入導線のデザインなど、デザインの工夫が伝わる内容
- すくすくレポートのプロセス:プロトタイピングやベータ版でユーザーリサーチを重ね、保育施設向けのシステムにいち早くAI技術を取り入れて育ててきたプロセスとナレッジが、来場者の共感を得られそうな内容
- ルクミーの紹介
- ユニファのデザイン組織の紹介
展示の見せ方
- 正面の印象を大事にする
- ブースは左右両方から人が入ってくるので、入口側をパネルの1枚目にして、なるべく順番待ちや滞留が起きにくいようにする
- パネルは目の高さを意識し、製本のサンプルも置いて写真映えを狙う

来場者に「自分ごと」にしてもらうための施策
- ただ展示を見てもらうだけでなく、気軽に参加できるコンテンツとして「デザインのポイント」というパネルを用意し、共感したりおもしろいと思った箇所にシールを貼ってもらう
- 来場者はデザイナー、PdM、ディレクター、教育関係者や学生などが想定されていたので、業界/業種/職種/年齢を問わずなるべく誰でも気軽に参加してもらえるようにシールを使った企画を実施

まとめ
チームメンバーを巻き込みながら段階を踏んで体験設計を行ったことで、この後のデザイン作業や設営準備も大きな路線変更や手戻りなく進められたと思っています。
パネルやチラシはデザインチームメンバーが素敵なデザインを作成してくれました。制作物とブースの様子は下記の記事で紹介しています :)
TOKYO CREATIVE COLLECTION 2025 ブース出展しました! - ユニファ開発者ブログ
残念ながらカジュアル面談のお申し込みには繋がることはなかったようなのですが、TCC当日はパネルやブースを撮影していただけたり、展示内容やサービスについて感想や質問をいただいたり、来場者とスタッフのあいだでポジティブなコミュニケーションが起きていたと感じました。
プロジェクトのふりかえりでは反省点や改善点も出てきたので、ぜひ次の機会に活かしたいと思います。
ユニファでは一緒に働く仲間を募集しています。気になった方はぜひ採用ページをチェックしてみてください!