ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

ffmpegでクロマキー合成!

こんにちは。 エンジニアの田渕です。

3月に入り、だんだんと日が長くなってきたなぁと感じます。 気づけば今年も既に3ヶ月が経とうとしています……。 月日の流れに負けぬように精進せねばと思います。

さて、今回のタイトルは「ffmpegでクロマキー合成!」です。 タイトル通り、ffmpegを使って、動画のクロマキー合成をしてみよう、という内容です。
「クロマキー合成ってなに?」から、実際にffmpegを使ってクロマキー合成してみるコマンドの紹介までをやって行きたいと思います!

クロマキー合成ってなに?

クロマキー合成、名前だけは聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
クロマキー合成とは、

特定の色の成分から映像の一部を透明にし、そこに別の映像を合成する技術 (wikipediaより)

のことです。

日常的に一番見かけるのは、テレビの天気予報での利用。 あとは、映画やドラマなどでの危険なシーンでの利用。 グリーンバックやブルーバックと呼ばれる、単一色の背景の前で撮影し、 それを他の映像と合成したりして利用します。

背景はグリーンやブルーじゃなきゃいけないのか?

動画の合成というと、緑色の背景の前で撮影しているイメージが強いかと思いますが、必ず緑じゃないといけないのでしょうか?
前述の通り、そもそもは「特定の色の成分から映像の一部を透明」にする技術なので、実は背景は緑や青でなくても良いのです。 ではなぜ、緑や青が使われているかと言うと、人の肌の色と補色関係にあるからです。 簡単に言えば、合成したい素材と似たような色の背景の前で撮影してしまうと、思ったように合成出来ない、という話。

人を素材として合成することが多い為、肌の色に合わせてグリーンやブルーの背景を利用することが多いのです。

理論はさておき

そんなわけで今回は、緑背景ではなく、白背景の動画と、普通の動画を合成してみたいと思います。 素材は、下記からお借りしました。

素材|After Effects Style|初心者からはじめるAfter Effectsの使い方

利用したのは、こちらの二点。

  • 元動画(空の動画)
  • 上に乗っける動画(ノイズ動画)

解像度や、秒数を合わせました。 ノイズ動画の「白い色」を透明にして、空の動画の上に乗せる形になります。

ffmpegとは?

その前に、今回利用するffmpegについてもちょっとご紹介。 ffmpegは、動画や音声を扱う為のフリーソフトの一つです。 コマンドラインから使用することが出来ます。

FFmpeg

このffmpegには、クロマキー合成をする為のオプションがあり、今回はそれを利用しました。 詳細な説明は、下記公式ドキュメントを参照ください。

FFmpeg Filters Documentation

ffmpeg Documentation

合成してみる!

ということで、ffmpegのコマンドを利用して、実際に合成してみます。

合成のコマンドはこんな感じ。説明の為、ファイル名を日本語にしておりますが、実際やるときは英語名を使っています。

ffmpeg -i 雲動画.mp4 -i ノイズ.mp4 -filter_complex “[1:v]colorkey=0xFFFFFF:0.3:0.2[ckout];[0:v][ckout]overlay[out]” -map “[out]” output.mp4

緑と青の部分が、それぞれ先に紹介した合成前の動画、赤い文字は、「白」を表すカラーコードです。 「緑文字と青文字の動画使って、青文字の動画の白を透明にして合成してね」というコマンドです。

結果はこうなります。

雲の流れる動画の上に、ノイズが重なってるのがわかるでしょうか。 これを使えば、プログラムを利用して動画の加工などが出来そうです。

今回は画像のみの動画の合成のご紹介でしたが、ffmpegでは音声つき動画同士のクロマキー合成も行えます。 (もっとコマンドが、複雑で長くなりますが……。) ffmpegでクロマキー合成している日本語のドキュメントは殆ど見かけない為、調査が少々大変ではありますが、出来上がると中々楽しいです。
ご興味のある方は試してみてください。

それでは!

ディープラーニングで写真チェックしてみる

こんにちは、田中です。

今日はディープラーニングを使ったピンぼけ写真検出について書いてみます。

るくみー撮影アプリの課題

f:id:sanshonoki:20170309113537j:plain

るくみー写真アップ用 on the App Store

弊社では保育士の方にiPodアプリを提供し、アプリを使って園内の日常写真を撮ってもらっています。 自動的にサーバーにアップロードされ、その後も簡単に保護者へ公開・販売できるので写真の管理がとても楽になります。

簡単、手軽、気軽に日常写真を撮れるのはよいのですがピンぼけ写真など公開に適さない写真もたくさん含まれてしまいます..。( ;∀;)

現状はこれらを1枚1枚チェックして公開/非公開を選別する必要があり、相応の負担となっています。><

これを流行りのディープラーニングを使って自動化しようというのが今回の試みです。

今回はいくつかある公開NG写真の種別のうちピンボケ写真だけを対象としています。

ピンぼけ写真とそうでない写真

着目したのは画像の周波数成分です。

正常写真 ピンぼけ写真
f:id:sanshonoki:20170309111535j:plain:w200 f:id:sanshonoki:20170309111547j:plain:w200
高周波成分を含む
(エッジ部分が鮮明)
高周波成分を含まない
(エッジ部分がのっぺりしている)

これにFFT (Fast Fourier Transform) をかけて周波数を画像として可視化してみます。

正常写真(FFT) ピンぼけ写真(FFT)
f:id:sanshonoki:20170309111606p:plain:w200 f:id:sanshonoki:20170309111622p:plain:w200

おお、明らかに違います。分類できそうな気がしてきます。(*´Д`)

FFTのコードは以下の記事を参考にしました。

yaritakunai.hatenablog.com

正直なところ、ディープラーニングを使わずともSVMなどの検出器で分類できそうな気はします。。

が、ディープラーニングの勉強も兼ねているのでディープラーニングを使います。

学習データセット

学習につかった写真の枚数は以下の通りです。

正常写真 ピンぼけ写真
ラベル 0 1
枚数 9000 9000

正常写真は実際にるくみー撮影アプリからアップロードされた写真を適当にピックアップして使い、ピンぼけ写真は正常写真にガウシアンフィルタをかけて人工的に作りました。

学習モデル

モデルはMNISTの分類で使ったものを使い回しているだけで適当です。。 (;^_^A

f:id:sanshonoki:20170309142417p:plain

ディープラーニングのライブラリは chainer を使いました。 国産のライブラリでコードも直観的に書けるので気に入っています。

学習は 20 epochs 回し、GPU使って 約90秒、CPUだと 約10分でした。 CPUでも十分学習できます。

評価

正常写真 と ピンぼけ写真 をそれぞれ 50 枚ずつピックアップして評価しました。 ピンぼけ写真は NG写真と判定されている写真の中からぼけを含む写真を適当に選んでいます。

ピンぼけ写真 正常写真
「ぼけ写真」と判定した数 28 0
「正常写真」と判定した数 22 50

モデルも学習データセットの作りも適当なこともあり、ピンぼけ写真の分類性能はそこそこです。 ただ、特筆すべきは正常写真をピンぼけ写真として誤分類することがなかったということでしょう。 これはつまり実用性が高いことを意味しています。

ちなみに、ピンぼけ写真を正常写真と分類してしまったのは被写体の一部だけがぼけていた写真などが多かったです。 全体的にぼけた写真を学習させたのでこれは仕方ないですね。。

API & ボット

せっかくなので Heroku 上にAPIとして実装して社内のslackチャンネルからボット経由で使えるようにしてみました。 :-)

f:id:sanshonoki:20170309143806j:plain

さいごに

私は参加してないのですがつい先日2/21, 22に「CNET Japan Live 2017 ビジネスに必須となるA.Iの可能性 」というイベントが開催されたようです。 そのWebページ上で 「導入前に知っておきたいAI活用のコツ~賢くコスト削減するには~」というタイトルで講演を行ったLIPの松村さんの発表スライドを見つけました。

https://japan.cnet.com/storage/2017/03/06/643b6711c05f9cb45f7fd46c3201d504/l03.JPG https://japan.cnet.com/storage/2017/03/06/643b6711c05f9cb45f7fd46c3201d504/l03.JPG (写真引用元)

写真チェックとAIの相性はかなり良いのではと思います。( ̄ー ̄)

ピンぼけ写真以外のNG写真の検出にもチャレンジしていきたいと思います。

月に一度のBeer Bash

 こんにちは、赤沼です。今回はユニファ開発部で行なっている取り組みの一つの、Beer Bashについてご紹介させていただきます。

開発部 Beer Bash

 ユニファ システム開発部では、毎月下旬の金曜日の夜に、社内イベントとして Beer Bash を開催しています。これは昨年(2016年)の10月から始めたもので、今のところ5ヶ月間毎月開催しています。

ビール片手にLT大会

 内容としては、ビールでも飲みながら、テーマは自由でLTしましょう、というものです。最初はみんな気軽に参加できるように、とりあえず会社近くのなか卯で唐揚げ100個ぐらいと、カクヤス等でビールを手配して、イベント名も唐揚げBeer Bashとしていましたが、当日急遽参加できなくなるメンバーが多かったりすると予約していた唐揚げがかなり余ってしまったりしたので、現在は各自食べたいものを調達して集まるというスタイルにしています。

 LTの内容は自由で、仕事に全く関係なかったり、技術的な内容でなくてもOKです。今までのLTの内容の例としては下記のようなものがありました。

  • これさえやればマテリアルデザイン
  • tensorflowを使って遊んでみたはなし
  • BLE nanoでLチカしました報告
  • ガチャのためのコインをひたすら稼ぐ話
  • AmazonDashButtonで遊んでみた
  • 園内ドキュメンテーションとるくみーの可能性 などなど

 上記以外も含めてどれもメンバーの個性が出ていてとても面白い内容でした。

参加は自由

 開催時間を業務時間外としていることもあり、参加は任意です。毎月Confluence(社内Wiki)にイベントのページを作って、参加したい人はそこに名前とLTのテーマを書いてもらうようにしています。LTなしで聞くだけでもOK。最初はどれぐらい集まるかわかりませんでしたが、毎回一定数以上のメンバーが参加してくれています。こういったイベントは強制的に参加させられてもあまり意味がないと思っていますし、任意参加でメンバーが集まらなくなったら終了、もしくは違う形のイベントに変更ということにしようと思っています。

開発メンバーも自己発信は重要

 Beer Bashを始めた目的としては、下記のようなものがあります。

  • 業務以外での気軽な交流の場を増やす
  • 他のメンバーがどんなことに興味があるのか、どんなことに詳しいのかを知ることができる
  • プレゼンの練習の場とすることができる
  • ビールと唐揚げ

 開発メンバーは普段の仕事ではあまりプレゼンのようなことをする機会がありませんが、自己発信していくことは重要だと思っています。自己発信の手段は色々とありますが、メンバーにはもし機会があれば外部のカンファレンス等でも積極的に登壇してもらいたいと思っています。そのための練習の場としても大いに活用してもらいたいと思っています。

 参加は任意としていることもあり、どれぐらい発表者がいるかわからなかったのですが、蓋を開けてみると前述のように色々なテーマでの発表があり、一応1枠10分を目安としているものの、それでは収まりきらないぐらいの内容を持ってきてくれています。(時間内に収めるというのもそれはそれで必要ですが。)

 開発部以外のメンバーも興味ある方は参加してもらってOKということにしていて、今までに参加してくれた他部署のメンバーからは、開発部メンバーの違った一面が見れて良かった、とか、自分もプレゼンしてみたいと思った、等のポジティブな感想をもらうことができました。

課題は時間と場所

 今のところ社内イベントとしてはうまくいっていて、定着してきていますが、まだ課題も残っています。まず時間帯が業務時間外の夜の時間なので、なかなか参加でいないメンバーもいます。また、ユニファは本社が名古屋なので、名古屋にも開発メンバーがいるのですが、リモートではなかなか参加しづらいイベントになっています。この時間と場所の問題を解決する方法がないかというのは今後も考えていきたいと思っています。

2020年度から小学校でプログラミング教育必修? 今日からお家で始められるお子様向けプログラミング入門

はじめまして、ユニファ株式会社のスマートフォンエンジニアのまさと申します。 2020年からプログラミング教育が必修となります。 でもいまいち「何から始めていいかわからない。」「私算数苦手だったし。」 「スクールに通わせるにもお金がかかるし。」と悩むこともあるかと思います。 そんな時に、お家で簡単に子供と一緒に始められるプログラミングツールをご紹介します。

今回は本当に初めてのお子様にも親しみやすいブロックをつなぐような入門環境のみご紹介します。

ゲーム好きのお子様におすすめ

Scratch Jr(無料) 5歳〜7歳

f:id:unifa_tech:20170210133545j:plain

ScratchJr - Home

この後紹介する、Scratchがまだ難しい子供にもっと身近にプログラミングをとKickstarterによって開発されたアプリです。 iPadやAndroidタブレットにて使用できます。 さまざまな画像や、背景、音楽が用意されていて、ブロックをつなげていくだけでキャラクターの動く物語が作れます。入門としては最適です。

プログラミン(無料) 6歳〜

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プログラミン | 文部科学省

文部科学省がプログラミングをもっと身近に感じてもらうべく開発されたプログラミング学習環境です。 Webアプリであるため、ブラウザさえあれば始められます。 Scratch Jrのようにブロックをつないで、もう少し難しい「もし〜の時はこうする」 というような条件分岐を含むプログラミングができるため、簡単なゲームも作れます。

スクラッチ(無料) 8歳〜

f:id:unifa_tech:20170210133721j:plain Scratch - Imagine, Program, Share

米国マサチューセッツ工科大学のMITメディアラボが開発したプログラミング学習環境です こちらもWebアプリであるため、ブラウザさえあれば始められます。 プログラミンではできなかった変数や乱数をつかった本格的なプログラミングが可能です。 NHKの教育番組「Why!? プログラミング」でも有名ですね。

ロボットやラジコン好きのお子様におすすめ

little bits(1万数千円〜)5歳〜

f:id:unifa_tech:20170210133728j:plain

littleBits(リトルビッツ)

ちょっとプログラミングと呼ぶまではいかないかもしれませんが、ブロックを繋げることで電子工作を楽しむことができます。 少々値段がはりますが、お子様と一緒にできる難易度の低さが魅力です。 簡単に明るさセンサーで暗いときに自動点灯する懐中電灯や、動く車などを作成できます。

chibi bits(4,000円程) 6歳〜

f:id:unifa_tech:20170210133737j:plain

chibi:bit - スイッチサイエンス

http://chibibit.io/ide/

chibi:bitは、BBC(英国放送協会)が主体となって作っている教育向けマイコンボードBBC micro:bitの互換機です。 Webにて開発が可能ので、ブロックを繋げるだけで、5x5のLEDの好きなところをON,OFFしたり、文字を表示したり、音楽を奏でることも可能です(別途100円ショップなどに売っているスピーカーが必要)。 使い方も簡単。chibi bitsをusbケーブルでつなぎ、PCに認識させます。 web上でブロックをつなげて開発したら、ダウンロードボタンを押して、ファイルを保存します。 そのファイルを認識させたchibi:bitに、ドラッグアンドドロップするだけです。

まとめ

とくにプログラムをしたことのない親御さんも、触ってみるとこうやってするのかと、コツをつかめてきます。 週末にお子様と初めてのプログラミングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

JaSST’17 Tokyoで登壇してきました!

こんにちは、ビールが大好きなQAの鶴岡です。

先日、あの有名なJaSSTで登壇してきました!

JaSSTとは

Japan Symposium on Software Testingの略で、「ジャスト」と読みます。

2003年から開催されている国内最大のソフトウェアテストシンポジウムで日本各地で開催されています。
詳細はこちらからどうぞ。 JaSSTソフトウェアテストシンポジウム-JaSSTについて

2日間に渡って開催されたJaSST、その2日目のセッションで登壇させていただきました。

セッションの話

Web.JaSST ~ Web Service QA Meeting in JaSST ~というセッションに参加させていただきました。

これはWebサービスに関わるQA担当者の勉強会Web Service QA MeetingをJaSSTでやろうというものでした。

~ Web Service QA Meeting のコンセプト ~

ウェブサービスの開発現場では、スピードとクオリティの両立が求められます。 組み込み開発やエンタープライズシステム開発などのドメインに比べて歴史は浅いですが、その分、QA担当者は現場で高い技術と柔軟性を求められます。 「Web Service QA Meeting」 では、発表を通して知見をぶつけ合い、シナジーを起こすことで現場の技術向上のヒントを生み出すことを目的としています。

セッション会場の様子 f:id:unifa_tech:20170216121956j:plain

登壇内容について

スライドがこちら。 speakerdeck.com

弊社QAの仕様改善についての動き方は特徴があるのでそこのお話をさせていただきました。
ユーザビリティを重視した仕様チェックを1周目の開発プロセス上で最低3回行っていますという話です。

詳細はスライドを見ていただくとして、
このプロセスが成り立っている理由のひとつとしては、エンジニアとQAとの信頼関係が強いからだと思っています。

載せきれなかった小話

QAが上流工程から参加する上でのエンジニアのメリット(実際に聞いてきました)

  • エンジニアだけだと作りやすさで考えがち、QA視点があると◎。
  • QAはほとんどの案件、機能を見ているので対応漏れがないかチェックできる。
  • 基本設計時に考えた仕様で、不安な部分の相談が気軽にできる。悩む時間が減る。
  • QAに渡す時に仕様説明をしなくていいから楽。
  • サポートとの間に入って調整してもらえる。

→全体的に安心感がある。というお話でした。嬉しかったです。聞いてよかった。

私はエンジニアが実装に集中できるように動くことも仕事の一つだ思っています。
それもエンジニアと良い信頼関係を築けている理由かもしれません。

登壇してみて思ったこと

大勢の人の前で話すということが初めてでした。
初舞台があのJaSST!ということで緊張しましたが、本当に光栄な話で、やってよかったと思っています。
登壇後、内容について質問をいただいたり色々な方とお話しすることができてとても刺激的な2日間でした。

あと資料作るのはいいですね!
というのも、自分がやってることの整理ができるので今後の課題だったり自分が向かいたい方向を改めて確認することができたなと。
普段無意識でやってることの理由付けというか、 あー結局ユーザーに気持ちよく使ってもらいたいんだなと改めて思いました。
スライドの「QAがやりたいこと」にもありますが、
私がQAするシステムを使うことで、ユーザーが何かを得てくれるとか、ユーザーが幸せになってほしいとかなんだなと。

そんな感じでこれからもQAの枠にはあまり捕らわれず、ユーザビリティ向上のために活動していこうと思いました。

(終わったあとのビールはとても美味しかったです。)

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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ユニファのQAの取り組みと課題

こんにちは、某VRをいまも入手できないQAの駒井です。 2017年が早くも1ヶ月経過した・・・みたいなことを毎年考えている気がします。

年の経過もそうですが、私自身もユニファに入社したのが昨年の7月ですので まだ半年ほどしか経過していないのですが、それ以上の期間いるんじゃないかと思う程入社以来濃い経験をさせてもらってます。

今回はそんな自分がユニファのQAについてほんの少し紹介させていただこうと思います。

続きを読む

調査しやすくするためログにリクエストIDを入れましょう

はじめまして、ユニファ株式会社のWEBエンジニアのチョウと申します。

こんなことがないでしょうか。突然調査依頼が来て、あるユーザーについて調べてほしいです。大量のログから掘り出してみましたが、ユーザー何人がアクセスするによってログが混じってしまいました。RailsのログにプロセスのIDが入ってますが、1つのプロセスは連続で複数ユーザーに使われて、リクエストとリクエストの境界が見づらく、時間かかるケースよくあります。もっと問題なのは、システムは必ず1つのログファイルに出力するわけではない。リクエストログは複数のファイルに分けられてしまったら、調査自体が邪魔されるといっても過言ではない。

ここで問題をまとめましょう。

  1. ユーザーあるいはユーザーのリクエストを特定したい
  2. 1つのリクエストが複数のログファイルに分けても分かる

ここですぐ分かる方がいるかもしれません、1つのリクエストは複数行のログを出力しているので、この複数行のログをあるIDなどでつなげればいいのです。 もっと具体的には、リクエストごとにユニークをIDを作成し、ログを出力するところ、このIDを一緒に出せば連続の行でもわかります。

request-id-1: foo
request-id-2: bar
request-id-1: foo2

ここでrequest-id-1でgrepすればプロセスID関係なくこのリクエストのログだけフィルターできます。

Rails自体はlog_tagsという設定があります。

config.log_tags = [ :uuid ]

を有効にすれば、ログにX-Request-Idの内容を出力されます。X-Request-Idはリクエスト別で作成されましたので、要望1に合ってます。

Log tagging in Rails | We Are Stac

BEFORE

Started GET "/dashboard" for 127.0.0.1 at 2014-11-24 15:48:30 +0000

AFTER

[a00c54e0-874f-4358-a7b9-accef0c407c6] Started GET "/dashboard" for 127.0.0.1 at 2014-11-24 15:48:30 +0000

これで終わり?残念ながら、この方法はRails.loggerだけに効き、複数のログファイルに通用しないです。 しかし、log_tagsのように、ログ出力するとき、X-Request-Idを入れれば解決できると思います。

そもそもX-Request-Idはどこからですか。答えはRailsのRake Middleware:ActionDispatch::RequestIdです。このmiddlewareはX-Request-Idを決め、Rackのenvに設定してます。 envの中にあると、ログを出力するところ取得しにくいため、まずthread local variableとかに保存してみます。つまり、自分でmiddlewareを作り、X-Request-Idをthread local variableに設定します。

middlewareリスト

use ActionDispatch::Static
use Rack::Lock
use #<ActiveSupport::Cache::Strategy::LocalCache::Middleware:0x007f9112ed8258>
use Rack::Runtime
use Rack::MethodOverride
use ActionDispatch::RequestId
use Rails::Rack::Logger
use ActionDispatch::ShowExceptions
use ActionDispatch::DebugExceptions
use BetterErrors::Middleware
use ActionDispatch::RemoteIp
use RailsDevTweaks::GranularAutoload::Middleware
use ActionDispatch::Callbacks
use ActiveRecord::ConnectionAdapters::ConnectionManagement
use ActiveRecord::QueryCache
use ActionDispatch::Cookies
use ActionDispatch::Flash
use ActionDispatch::ParamsParser
use ActionDispatch::Head
use Rack::ConditionalGet
use Rack::ETag
use ActionDispatch::BestStandardsSupport
use ExceptionNotification::Rack
run Foo::Application.routes

application.rb

config.middleware.insert_after 'ActionDispatch::RequestId', 'MyLogContextCollector'
class MyLogContextCollector
  def initialize(app)
    @app = app
  end

  def call(env)
    # request id from ActionDispatch::RequestId
    request_id = env['action_dispatch.request_id']
    MyLogContext.set_current_request_id(request_id)
    @app.call(env)
  ensure
    MyLogContext.clear_current_request_id
  end
end

ここでenvからX-Request-Idを取り出し、MyLogContextのthread local variableに設定します。

class MyLogContext
  TRANS_VAR_REQUEST_ID = :request_id

  attr_reader :severity # String
  attr_reader :time # DateTime
  attr_reader :program_name # String
  attr_reader :message # Object

  # @param [String] severity
  # @param [DateTime] time
  # @param [String] program_name
  # @param [Object] message
  def initialize(severity, time, program_name, message)
    @severity = severity
    @time = time
    @program_name = program_name
    @message = message
  end

  # @return [Integer]
  def get_process_id
    $$
  end

  # @param [String] format
  # @return [String]
  def get_formatted_time(format = nil)
    return nil if @time.nil?
    return @time.strftime(format) if format

    "#{@time.strftime('%Y-%m-%d %H:%M:%S')}.#{'%06d' % @time.usec.to_s}"
  end

  # @return [String]
  def message2string
    case @message
      when ::String
        @message
      when ::Exception
        "#{ @message.message } (#{ @message.class })\n" <<
            (@message.backtrace || []).join("\n")
      else
        @message.inspect
    end
  end

  class << self
    # @param [String] request_id
    def set_current_request_id(request_id)
      set_trans_var(TRANS_VAR_REQUEST_ID, request_id)
    end

    # @return [String]
    def get_current_request_id
      get_trans_var(TRANS_VAR_REQUEST_ID)
    end

    def clear_current_request_id
      set_trans_var(TRANS_VAR_REQUEST_ID, nil)
    end

    # @param [Symbol] key
    # @param [Object] value
    def set_trans_var(key, value)
      ::Thread.current.thread_variable_set(key, value)
    end

    # @param [Symbol] key
    def get_trans_var(key)
      ::Thread.current.thread_variable_get(key)
    end
  end
end

ログを出力する時、都度thread local variableであるX-Request-Idを入れるのはしたくないため、log formatのところすこし改造してみました。

logger = Logger.new('log/foo.log')
logger.formatter = MyLogFormatter.new(lambda{|context|
  "[%s #%d] %5s -- %s: [%s] %s\n" % [
      context.get_formatted_time,
      context.get_process_id,
      context.severity,
      context.program_name,
      MyLogContext.get_current_request_id,
      context.message2string
  ]
})
class MyLogFormatter
  def initialize(lambda)
    @lambda = lambda
  end

  # @param [String] severity
  # @param [DateTime] time
  # @param [String] prog_name
  # @param [Object] msg
  # @return [String]
  def call(severity, time, prog_name, msg)
    context = ::Yoursmile::LogContext.new(severity, time, prog_name, msg)
    @lambda.call(context)
  end
end

これで全部終わりました。

==> log/1.log <==
[2016-11-25 17:26:11.350612 #66417]  INFO -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 1
[2016-11-25 17:26:11.367210 #66417]  INFO -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 2
[2016-11-25 17:26:11.367284 #66417]  INFO -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 3
[2016-11-25 17:26:11.370316 #66417] DEBUG -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 4
[2016-11-25 17:26:11.372182 #66417] DEBUG -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 5
[2016-11-25 17:26:11.374109 #66417] DEBUG -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 6

==> log/2.log <==
[2016-11-25 17:26:11.383344 #66417] DEBUG -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 7

==> log/3.log <==
[2016-11-25 17:26:11.391745 #66417] DEBUG -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 8

==> log/1.log <==
[2016-11-25 17:26:11.415792 #66417] DEBUG -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 9
[2016-11-25 17:26:11.432047 #66417]  INFO -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 10
[2016-11-25 17:26:11.441824 #66417] DEBUG -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 11
[2016-11-25 17:26:11.448600 #66417] DEBUG -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 12
[2016-11-25 17:26:11.450477 #66417] DEBUG -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 13
[2016-11-25 17:26:11.451106 #66417]  INFO -- : [b15ea4d9a43bc7aa390051e16c2dbe3b] 14

よさそう。

まとめ

あとで本番にリリースし、調査がすこし楽になった感じがします。エラーはある原因で別のファイルに出力されましたから、本来エラーを起こすリクエストを特定するのは難しかったです。そこでこの機能のおかげて、エラーを出力する行のrequest idが分かればすぐgrepで見つかりました。

実際、X-Request-Idはアプリケーション内のログではなく、1つのリクエストが複数アプリケーションに関わる場合も利用できます。それは最初のアプリケーションあるいはWEBサーバーがRequest-Idを作成し、RPCのパラメータとしてほかのアプリケーションに通信し、処理のログを繋げます。つまり、request tracerみたいなものです。

最後に、以上の内容は役に立ちましたら幸いです。