はじめまして。認定スクラムマスター(なりたてほやほや)の渡部です。
スクラムには、必須とも言えるスクラムイベントや、定義された様々なルールが存在します。
多くの場合、まずは教科書のやり方に倣って導入されるチームがほとんどだと思います(実際、それをオススメします)が、 ただ書いてある通りに運用しているだけだと、「う〜ん、こんな場合はどうするんだっけ?」「そもそも何のためにやってるんだっけ?」「うまくいってる実感が無いけどどうすれば…」という疑問が出てくるときがあると思います。ありますよね?
そんなとき、「そもそもスクラムとは何なのか?」を理解しておくことで、最適な判断を行えるようになりますし、現状のやり方は何がイケてないのか?どうするべきなのか?を考えることができるようになります。
そこで今回は、下記2点について解説していきたいと思います。
本記事で解説する内容
- スクラムってそもそも何なのか?
- スクラムイベントって実のところ何をしてるの?
想定読者
- スクラムを勉強中の方
- スクラムを導入したが、いまいち各種イベントがしっくりこない方
- スクラムを自分のチームなりにアレンジしたい(or アレンジしたは良いが、これで良いか分からない)方
スクラムってそもそも何?
まずスクラムガイドを参照してみると、以下のように記載されています。
複雑で変化の激しい問題に対応するためのフレームワークであり、可能な限り価値の高いプロダクトを生産的かつ創造的に届けるためのものである。
https://www.scrumguides.org/docs/scrumguide/v2017/2017-Scrum-Guide-Japanese.pdf
と、アジャイル開発のフレームワークの1つであることがわかりますね。
さらに読み進めていくと、スクラムの3本の柱について記載されています。
僕なりにスーパーラフに説明すると次のようになります。
スクラムの3本の柱ってなぁに?
- 【透明性】
- あらゆるもの・ことが見える化されてることだよ!
タスクはもちろん、作業の進捗、プロセス、メンバーの幸福度、困ってることなど、本当にありとあらゆるものだよ!
- あらゆるもの・ことが見える化されてることだよ!
- 【検査】
- 見える化されたあらゆるもの・ことをチェックすることだよ!
- 【適応】
- 検査されたものの中で、悪いものは良い方向に、良いものはもっと良くなるよう、変更・調整をかけることだよ!
スクラムのあらゆるイベント・ルールは上記「3本の柱」の上になりたっていますので、 一言で、スクラムとは「あらゆる作業を見える化し、問題を特定し、着実にカイゼンを積み重ねるフレームワーク」と言えます。
上記を理解せずに運用してしまうと、せっかくのイベント、1つ1つのプロセスに価値を見いだせなくなってしまうでしょう。
スクラムを行ううえでは、(スクラムマスターは特にですが)チーム全員が上記を理解することが大切です。
そして当然の事ながら、スクラムマスターはチームが上記を理解できるよう、支援をすることが必要になります。
スクラムイベントで行なっていること
この章では、スクラムイベントで行なっていることを、上記「3本の柱」に当てはめて見ていきます。
激しくラフにまとめていますが、ざっくりイメージを掴んでいただければよろしいかと思います。
そうすることで、各スクラムイベントの目的とは何なのか?何をしているのか?の理解の助けになるなぁと個人的に思っています。
また、これは経験談ですが、自分のチームなりにアレンジする際にどう調整すれば良いのかも判断しやすくなると考えています(というかなりました)。
※各イベントで具体的に何をすべきか、どうするのが良いか等は、また別の機会にお話できればと思います。
スプリントプランニング
【透明性】スプリントで成し遂げることを決定し、
【検査】成し遂げると決めたことが、確実に完了できるかを詳細に確認し、
【適応】完了を阻害する要因がある場合、確実に完了できるよう調整・変更を加える
上記を行うことで、 確実にスプリントで完了できる計画をたてることが可能となります。
デイリースクラム(朝会)
【透明性】チームで毎日集まって、やったこと、これからやること、困ってることを話し合うことで
【検査】作業の進捗、問題、他チームメンバーの作業への影響などを把握する
【適応】-
上記を行うことで、 大きな問題になる前に気付くことができたり、困っているメンバーのフォローをすることができるようになります。
※デイリースクラムの場では状況の把握までを目的としています。 問題がある場合は、デイリースクラム終了後に時間をとり、必要な人のみで議論します。
スプリントレビュー
【透明性】スプリントで完成したもののデモや、最新のスケジュールを共有することで、
【検査】関係者の適切な確認・フィードバックを得ることができ、
【適応】必要に応じて、バックログの修正やスケジュールの調整、開発計画の見直しを行う
上記を行うことで、 スプリントごとに正しい方向性を都度確認しながら、手戻りの少ない開発を進めることが可能となります。
スプリントレトロスペクティブ(ふりかえり)
【透明性】次のスプリントを始める前にチームで、人 / 関係 / プロセス / ツールの観点でふりかえることで
【検査】良かったこと・改善が必要なことを特定、整理でき、
【適応】次のスプリントで実施すべきカイゼン計画を行える
上記を行うことで、 スプリントを経るごとに、一歩ずつですが着実に生産性を向上させることが可能となります。
おわりに
上記のように、スクラムでは【透明性】【検査】【適応】の「3本の柱」がいたるところに組み込まれており、(これがまた難しいのですが、)しっかりと理解し適切に運用することができれば、着実に生産性を上げられるようになっています。
これが、スクラムで生産性が向上する秘密というか仕組みです。
- スクラムとは何なのか?
- スクラムイベントでは何をやっているのか?
拙い文章ではありますが、上記を理解する上での一助となれば幸いです。