ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

ユニファCTOの役割

 みなさまこんにちは。ユニファCTOの赤沼です。私がユニファでCTOという役割を担うようになってから一年ちょっと経ちました。私も入社当初はガンガンコードを書いていましたが、最近は基本的には自分ではコードを書かなくなり、他のメンバーからは私が何をやっているのか、どんな役割なのかが見えづらくなって来てしまいました。そこで先日開発部の定例ミーティング時に、私が考えるユニファCTOの役割についてメンバー向けに話させてもらったので、ここでも簡単に紹介させていただこうと思います。

先端的な技術を保育の現場や家族コミュニケーションに活かす

 一般的な定義としては、「技術的な視点で経営にコミットする」というのがCTOの役割であり、技術と人の問題に答えを出して実行する人ということになるかと思います。それをユニファの事業内容を踏まえて少し具体化すると、「先端的な技術を保育の現場や家族コミュニケーションに活かす方法を見つけて実行する、また、そういうチームを作る人」ということになると思っています。経営陣の一員としては技術視点での事業企画への提案を求められるわけですが、他の経営陣への技術的な理解を促すことも、前述の役割を果たすためには必要になって来ます。

高速道路のちょっと先を開拓できるチームを作る

 良くある話として、エンジニアやクリエイターがユーザ視点を忘れてシステムを作ると、実際のユーザにとっては受け入れられないことが多いので、ユニファではサービスの主なユーザである保育士や保護者の視点で考えることを重視しています。保育の現場や家族コミュニケーションそれ自体について深く掘り下げて考えることはとても重要で、開発部メンバーにとっても必要なことです。ですが、ちょっと見方を変えると、それは開発部メンバー以外でもできることではあったりします。逆に、それぞれの専門的な技術領域について深く掘り下げていったり、それを現場にどう活かせるかを考えるのは、開発部メンバーにしかできません。もちろんユーザ視点を忘れて良いということではないですが、それぞれの領域におけるプロフェッショナルとしての技術向上が本来の役割として強く求められます。例えばエンジニアがAIの技術的な流れに乗れていないと、長期的に見たときにビジネス面でも取り残される可能性があるわけです。

 ユニファは先日優勝したStartup World Cupをはじめ、色々なピッチコンテスト等で賞をいただいていて、事業モデルとしては高い評価をいただいていますが、会社としては事業モデルも優れているし、技術面でも強みがあるというのが理想なわけです。今後の技術的な方向性として、技術的にも強みなるし、事業面でも優位に立てる技術をいかに選択していくかということになります。

 とは言え純粋な技術要素自体を事業的な強みにするのは困難です。なので最初から全く新しい道を探すのではなく、すでにデファクトスタンダートになっている技術や、ある程度環境が整って来ている技術は大いに活用させていただき、高速道路を進んだそのちょっと先のまだ整っていない領域をどう開拓していくかということではないかと思っています。そのためには技術的な視点を高く保つことが大事ですし、技術要素だけでなく、開発プロセスなどに強みを見つけられる可能性もあります。

 また、そういった取り組みをしていくためには、会社全体として技術に投資していく文化を作ることが必要になります。ビジネスサイドメンバーからすると結果に直結する部分ではないので理解を得づらいのですが、将来的なことを考えて今技術に投資していくと同時に、現在のシステムが持っている、目に見えない技術的な課題を解消していくことについてリソースを割くことに納得感を持ってもらえるように働きかけていくことが求められると思っています。

トップダウン+ボトムアップ

 CTOとしては誰よりも深く考えて、5年後、10年後を考えたときに今どの技術を選ぶかの技術的な方針を打ち出す言わばトップダウンの視点になるわけですが、一方で各メンバーからも、こういうことができるんじゃないか、というボトムアップの提案が出てくることも重要です。こういったボトムアップの提案がメンバーからどんどん出てくる、ボトムアップ体質を持った、トップダウンとボトムアップの両面から挟み込んでいけるチームを作っていくことが重要だと思っています。技術面でも例えばエンジニアであれば、プログラミングやコンピュータサイエンスなどのベース技術のレベルアップと、先端技術のキャッチアップの両面が求められていきます。メンバーそれぞれがそれぞれの専門領域におけるプロフェッショナルとして、スキルアップへの手を休めず追求していくことに当然のこととして取り組んでいけるチームを作っていきたいと思っています。