ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

今年も来年もさらにその先も勝負の年

皆様メリークリスマス。ユニファでCTOをしております赤沼です。

この記事はユニファAdvent Calendar 2022の25日目の記事です。

adventar.org

ユニファ開発者ブログでのアドベントカレンダーも毎年恒例になってきまして、そして今年も最終日まで完走達成ということで、協力してくれたメンバーとお読みいただいている皆様には大感謝です。ありがとうございます!

マーケット激変の年

さて、今年も一年を振り返るのですが、経営陣の端くれとしてはやはり何を置いてもマーケットの激変の年という感想です。 特にスタートアップにおいては今まではとにかく成長性が重視され、成長性が高ければ赤字が大きくても許容されていたものが、成長と利益のバランスが重視され、特に利益に重きが置かれるように一気に変わってしまいました。完全に資本市場のゲームルールが変わってしまい、高成長赤字企業・SaaS への加熱がピークアウトした形です。 それに伴い Meta や Amazon をはじめとする外資系企業では大規模なレイオフが実施されたり、国内でもダウンラウンドでのIPOが相次ぐなど、象徴的な出来事も多く、国内外、企業規模問わず厳しい状況になっています。

一方で、こういった流れは長い目で見れば繰り返される周期の一部であり、当面は続くと思われるものの、いずれは良い方向に動くことが期待されます。 なのでスタートアップ企業であるユニファとしては、いかにこの局面を乗り越え、目指すところに向かえるかが重要です。 これをよりリーンな組織を作る契機と捉えて、より強い組織にしていければと思います。 ユニファでは今年一年でさらにプロダクトも増え、組織規模も拡大し、複数のプロダクトの開発・運用が同時に走っている状態ですが、そういった中でどこに開発リソースを投下していくのかが益々重要になっていると感じます。これはまさに経営判断であり、最も事業成長につながるところにリソースを注ぐ必要があります。幸いユニファには優秀なメンバーが集まってくれていますので、メンバーの力を最大限成果に繋げられるように意思決定していくことも経営・CTOとしての役割と感じています。

そのレイヤーでやるべきタスクにフォーカスする

また、CTOの役割という点では、CTOがやるべきタスクに時間を投下できているかという点もより重要になると感じています。 これはDev本部内のマネージャーから「例えばコピー機のインクを交換するような仕事も大事だが、CTOはもっとフォーカスすべきタスクがある中でそういった仕事に工数を費やしてしまってはいないか?」という指摘をもらい改めて深く考えるようになりました。 採用関連業務やワークフロー関連などをはじめとして、どうしても目先対応しないといけないものに追われていたり、メンバーに任せるべきところを自分が入って行き過ぎて必要以上に気にしていたり、そういったところに実際の時間としての工数だけでなく、マインドシェアを奪われているとなかなか中長期的な目線でじっくり考えるべきタスクに取り掛かることができません。自分でも改善しないといけないと思っていた点ではありますが、メンバーから改めてそういった視点での指摘をもらえたことで実際に行動に移していくきっかけになった点はとてもありがたいものでした。 Slack のチャネルで不要なものからは抜けたりミュートしたり、不要なメールは受け取らないようにするなど、小さいところからインタラプトになる要素を取り除き始めて以前よりマインドシェアを奪われなくなった感じはあるので、時間の使い方は今後より改善していこうと思っています。

開発生産性可視化への取り組み

そして開発組織としても、メンバーの仕事が成果につながっているか、生産性が向上できているかという点はリーンな組織になっていくためにも重要です。そのためにはまずは測定が必要ということで、今年は開発生産性の可視化にも取り組み始めました。

D/D/D

Visionalの竹内さんが以前ブログに書かれていた D/D/D の集計を始めました。

note.com

指標としては 0.1 以上だと健全という基準もあるようですが、会社によってチーム構成は異なるためどこまでの人数を集計対象とするかや、B2CかB2Bか、さらにその事業ドメインの特性によって目指すべきラインは大きく違ってくると思いますので、絶対値として 0.1 を目指すのではなく、内部で改善に向かえているかを見るための相対的な指標としての位置付けとしています。

PRマージ数と価値分類

D/D/Dではリリース回数を対象としていますが、そのリリースによってどれぐらい価値を提供できているのかを測る意図で、各リリースに含まれるPR数(= master/main ブランチにマージされたPR数)と、そのPRに含まれるチケットの種別から、顧客価値の増強につながるリリースとメンテナンス系のリリースの割合を集計しています。 これも絶対的な基準はないと思いますが、できるだけ顧客価値の増強につながるリリースの割合を強めていくための相対的な指標として計測しています。

最近は様々なところで Four Keys をはじめとした生産性可視化に関連するトピックが多くなっており、各社の関心が高くなっていると感じます。他社CTOと話す中でも話題になることも多く、経営としても開発チームとしてもより価値を提供していくための取り組みとして重要になって来ていると思いますので、自社にとって最適な指標を探しながらアップデートしていければと考えています。

開発組織拡充

そして今年もユニファの開発チームには多くのメンバーが加わってくれ、13名の仲間が増えました。 残念ながらユニファを離れたメンバーもいますので純増というわけではありませんが、採用競争が激化する現状でこれだけ多くの仲間にご入社いただけたのは本当に嬉しいことです。 外国籍の方も引き続き採用しており、上記のうち4名は外国籍エンジニアなので、より多様性が広がっています。 そして遠隔地在住の方のフルリモート採用もスタートし、北海道、山梨、愛知、福岡から5名のエンジニアがフルリモートで勤務してくれています。 各社でリモートワークが広がる中、ユニファでも遠隔地にお住まいの優秀なメンバーにご入社いただきたいと思っていますので、よりリモートワークを活用して強い組織にしていきたいと思っています。

リアルイベント復活の兆し

その一方で、セミナーやカンファレンスなどのイベントではオフライン開催のものが増えて来ており、リアルイベント復活の兆しを感じています。 最近私が参加したイベントでも、 CTO Night & Day、Ruby biz グランプリ、Ruby World Conference、BR3W などはオフライン(もしくはハイブリッド)で実施されました。イベントによっては3年ぶりのオフライン開催となるものもあり、感慨深いものがありました。もちろんオンライン開催もとても有益なのですが、そこで初めて会った他社CTOとの深い議論や、まつもとゆきひろさんを捕まえて Ruby の話を聞くなどは、オフラインの空気感だからこそ実現できる部分を感じ、改めて直接会って話すことの重要性を認識しました。 普段の仕事などはリモート主体で効率よく仕事をしていくことは全く問題ないので、だからこそ時々対面で会って話すことの重要性は増しているなと思います。

2023年に向けて

冒頭で書いたマーケットの状況や、自分がフォーカスすべきタスクのこともあり、来年は会社としても自分としても、より体幹の強さが問われる年だと思っています。 「来年は勝負の年」というのは弊社CEOが毎年言っていて社内でもネタになることもありますが、でも実際スタートアップは勝負じゃない年なんてないんだろうと思います。その中でも特に来年は試練の年になりそうですが、来年の今頃には状況が改善し、さらに新しい仲間も含めて頑張りを讃えあえることを願っていますので、新しい仲間になっていただける方はぜひ下記リンク先から、もしくは私に直接ご連絡いただければと思います。 また、上記に書いた開発生産性可視化の詳細の内容など、興味ある方はぜひ詳しくお話しさせていただければと思いますし、私も他社の取り組みの話も伺わせていただきたいので、ぜひお気軽にご連絡ください。

2023年が弊社にとっても皆様にとっても幸多き年になることを願って m( )m

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