ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

中途入社デザイナー向けのオンボーディングの取り組み

ルクミーのプロダクトデザインを担当しているようがいです。

新しい仲間を迎え入れる際、チームへスムーズに馴染み、早期に力を発揮してもらうためにオンボーディングを実施している方も多いのではないでしょうか。

モチベーション高く入社してくる新メンバーをお迎えする側として、オンボーディングやオリエンテーションは大切にしたいと思っています。それが組織全体の活性化・良いプロダクト作りにも繋がると信じています。

昨年、ユニファには2名のプロダクトデザイナーが入社しました。

その際に実施したオンボーディングプログラムについて、考え方や具体的な内容、工夫した点などをご紹介します。事業会社へ中途入社するインハウスデザイナー向けの内容になります。

オンボーディングプログラム作成の背景と流れ

ユニファが提供しているルクミーのサービスには、10以上のプロダクトがあり、PC管理画面に加えてiOS・Androidアプリも複数提供しています。

これらのプロダクトは4つの開発チームで開発や運用、改善を分担しており、プロダクト間のデータ連携もあります。

新しいメンバーは期待や不安を抱えて入社してくるはず。このような複雑なプロダクト群をスムーズに理解して、なるべく早く業務に携わり、事業への貢献を実感してもらえるようにしたいと考えました。

これまでユニファにはプロダクトデザイナー用のオンボーディングプログラムはなかったので、過去のデザイナー入社時の資料や、すでにあったPdM(プロダクトマネージャー)のオンボーディングを参考にしつつ、デザインチームの状況に合わせて内容を構成しました。

プログラム作成は以下のように進めました。

  1. オンボーディングの目的・目標を設定:入社者及びチームが「いつ頃にはこうなっていたい(いてほしい)」という理想像をイメージし、そこに至るまでの短期・中期的な目標を言語化
  2. 課題の洗い出し:キャッチアップが必要な領域や、入社者が直面しそうな課題やの特定
  3. コンテンツとスケジュールの設計:2を踏まえ、目的・目標達成に必要なコンテンツ(オリエンテーション内容、個人タスクなど)を検討、スケジュールの落とし込み

オンボーディングの目的とゴール

今回、3週間のオンボーディング期間を通じて、以下の6つのゴールを達成してもらうことを目指しました。

  • 会社・事業の理解
  • 組織・人の理解
  • サービス・ユーザーの理解
  • デザイン業務の理解
  • 自己認識と目標設定
  • チームとの関係構築

入社直後の適切なインプットとは…

入社してすぐに会社のすべてを完全に理解することは困難です。

また、業務に携わる中で自ら疑問を持ち、気づきを得たり学んだりするプロセスもとても大切です。

そのためオンボーディングの初期段階では、

  • ルクミーが大切にしている価値・体験
  • プロダクト作りの根幹となる考え方や方針

を伝えることに重点を置きました。

細かなデザインルールや進め方などは個人のやりやすい方法や考えもあると思いますし、自分も良い方法を常に模索しています。ですのでこちらからはあまり提示しすぎず、プロジェクトへのアサイン後に都度お話しすることにしました。

期間ごとの成長イメージ

オンボーディング期間を経て、どのような成長を期待するかのおおよそのイメージです。こちらはプログラム作成の際に考えたものですが、新メンバーにも共有しました。

入社3ヶ月頃

  • まず新しい環境に慣れる。その上で、担当プロダクトの目的や仕様を理解し、UIデザインタスクに主体的に着手できている
  • プロジェクトの目的やユーザーストーリーに沿ってデザインを作成し、デザインチームやプロダクトマネージャー、その他の関係者に意図を説明し、合意形成を進める
  • 可能であれば、担当箇所のリリースまで一連の流れを経験する
  • ルクミーのプロダクトが持つデザイン上の「らしさ」や特徴を掴み始めている

入社半年頃

  • 自分でタスクを調整し、大きなサポートなしに業務を進行できるようになっている(もちろん、デザイナー同士の相談は歓迎)
  • デザイナー同士で相互にデザインレビューを実施し、学び合える関係性ができている

入社1年後

  • メンバーそれぞれが得意分野を活かし、伸ばしたいスキルを見据えて業務に取り組むことができる環境・文化が醸成されている
  • 心理的安全性が確保され、建設的な意見交換や、言いにくいことも安心して言い合える関係性が築かれている
  • 自身の貢献が事業成長に繋がっている実感を持てている

オリエンテーションの内容

オンボーディング期間中に行ったオリエンテーションの具体的な内容です。オリエンテーションは3日に分け、それぞれ1〜2時間かけて実施しました。

オリエンテーション①

  • ユニファの歴史・組織構造
  • 就業ルール、勤怠管理、経費精算などの事務手続き
  • 社内コミュニケーションツールの使い方、活用方法
  • 主な会議体とスケジュール
  • 困った時の問い合わせ先(新入社員用の質問チャンネル)
  • デザイナーが使用するツールの説明
  • オンボーディング期間中の個人タスクの説明(スキルマップ作成、プロダクトのデモ環境の操作体験、学んだことのアウトプット作成)

オリエンテーション②

  • 組織の構造と文化
  • プロダクトデザイナーに期待される役割と目指す姿
  • ユニファのプロダクトデザインにおける特徴や課題
  • ルクミーの主要プロダクト群の詳細紹介
  • Figmaの使い方、チームでの運用ルール
  • 開発環境へのアクセス設定、申請手続き
  • ステージング環境(開発実装の確認環境)の使い方
  • 検証用貸出端末の利用方法
  • 業務に必要な端末やアカウントの申請方法

オリエンテーション③

  • これまでのオリエンテーション内容の振り返り
  • 実際にプロダクトを触ってみての感想や気づきの共有
  • 期間中に生じた疑問点の解消
  • オンボーディング後の業務の進め方に関する質疑応答と話し合い

配慮・工夫した点

フルリモート入社メンバーへの「安心」の提供

今回特に重視したのは、フルリモート環境での新メンバーのサポートです。

新メンバーは2人ともオフィスから遠方に住んでいて、面接も含めすべてのやり取りをオンラインで行います。

物理的な距離があるからこそ、「チームに馴染めるか心配」「困ったときに誰に聞けばいいか分からない」といった不安孤独感を感じやすいのではないかと考えました。

そこで、他の職種で効果的だった取り組みを参考に、以下のような工夫を行いました。

  • 情報へのアクセスしやすさ:オンボーディングで話したことをいつでも確認できるように、社内でよく使われているConfluenceで共有しました。ユニファの開発チームでは普段からドキュメントを整備する習慣・文化があるため資料はスムーズに準備できました
  • 1on1の実施:デザイナーだけでなく、担当するチームのPdMとも1on1を実施してもらいました。これから一緒に働くメンバーとコミュニケーションのきっかけを掴んでもらえたらと思っていました
  • アウトプットを通じた自己紹介:他のメンバーにご自身の視点や考えを知ってもらう機会として、オンボーディングで学んだことや感じたことをチームの定例MTGで発表してもらいました。

実環境に触れる機会の提供

今回のオンボーディングの特徴と思っているのが、プロダクトの本番環境に触れてもらう機会を設けたことです。

実際の利用シーンの擬似体験を通して、プロダクトやサービス、ユーザーへの理解を深めてもらうことを目指しました。

例えば、「ユーザー向けマニュアルを見ながら、保育施設の先生になった想定でおたよりや連絡帳をテスト送信し、それを保護者としてアプリで受信する」などです。 このようなタスクをほぼ全プロダクトで用意し、実施してもらいました。

オンボーディング実施を通して

正直に言うと、まだまだ手探りな部分もあり、コンテンツの質や量が本当に適切なのか不安に思うところもありました。

しかし新メンバーの2人はこちらが想像していた以上に多くのことを感じ取り、深く考えてくれていました。

オンボーディング期間を終えて作成・発表してくれたアウトプットからは、それぞれの得意分野や興味・関心が伝わってきましたし、チームに新しい視点をもたらしてくれたと思います。

メンバーからのフィードバック

オンボーディングを受けたメンバーにも感想を聞いてみました。

砂田さん

オリエンテーションは、会社の歴史や文化、業務内容、利用ツールなどが、ちょうど良い情報量に分割して説明されたので、スムーズに頭に入ってきました!オリエンの内容がConfluenceに分かりやすくまとめられていたのも、迷った時に見返せてすごく助かりました。

実際にプロダクトを使用する時間を設けてもらえたことで、それぞれのプロダクトのメリットや連携構造を具体的に把握でき、その後の実務にもスムーズに入れました。

スキルマップでお互いの得意なことや趣味を知れたり、1on1でチームメンバーや関係者と話したりと、コミュニケーションを取る機会も豊富にあり、フルリモートでも不安なく会社に馴染むことができたと思います!

なかとみさん

入社前はフルリモートということもあり、正直、社内の雰囲気がつかめるか、自分がちゃんと馴染めるのか少し不安がありました。オンラインでのやりとりだけでうまくやっていけるのかな…という気持ちも。

でも実際には、『心理的安全性』という言葉が自然と社内で使われていたり、SlackやConfluenceの情報がオープンになっていたりと、『安心して聞ける・探せる』環境が整っていて、すごくありがたかったです。

また、初期の業務では、小さな成功体験を積み重ねられるように、ちょうどよい難易度やスコープのタスクをアサインしてもらえたのも印象に残っています。そういった業務をこなしながら、少しずつ自信を持てるようになりました。自然とチームに溶け込めるような工夫やサポートが随所にあり、最初の不安も徐々に解消されていきました。

今振り返っても、あの時のサポートがあったからこそ、安心してスタートを切れたと思っています!」

オンボーディング後について

オンボーディングのおかげかどうかは分かりませんが、両名とも入社直後からプロダクトデザインだけでなくコミュニケーションデザインでも活躍されています。プロダクトに限って言うと、

砂田さんは入社1ヶ月目から保育AIに関するプロダクトのUIデザインを担当し、プロジェクト推進力を発揮しています。また、デザインシステムの再構築やコンポーネントの整備にもみずから取り組んでくれています。

なかとみさんも入社まもない時期から、ルクミーフォトのAI機能をはじめ不確実性の高いプロジェクトに多く携わっています。PdMと一緒に顧客へのヒアリングを行い、その分析やユーザーシナリオ作成を通して顧客理解を深め、デザインからしみ出して業務を行われています。

お二人が書かれたブログ記事はこちら

tech.unifa-e.com

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今後に向けて

今回得た学びやメンバーからのフィードバックを活かしながら、これからも、新しく参加してくれるメンバーがチームの一員として安心して新しい環境に馴染み、能力を最大限に発揮し、成長できるような環境づくりを継続していきたいと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

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