こんにちは。エンジニアの田渕です。 5月も中旬を過ぎたのに、東京はまだなんだか微妙に肌寒い日々。。。毎年こんなもんだったっけ?と思いながら、過ごしています。
さて、すっかり定着してきたユニファのエンジニアブログですが、本日はユニファらしい(?)記事を一つ書いてみようかと思います。
10年ぶりに保育士の「バイブル」が変わる
「保育所保育指針」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?全国の保育士さんのバイブルとも言うべき、大切なものです。 厚生労働省より公示され、全国の保育士さんは、この内容に基づいて、保育を行います。 その改訂が10年ぶりに行われ、平成30年4月から適用されるということで、現役の保育士さんや、保育士さんを目指している方など、保育に携わる方々の間ではとても注目を集めています。 *1
保育士さんは本当に大変……。
新しくなる、という話なので、いい機会だからと、全文読んでみました。せっかくなので、保育士さん向けに新保育指針の解説をしている講座にもいくつか参加してみました。 その結果、分かったこととしては「保育士さんってそんなことまで気にしないといけないの!?」というくらい、とにかく、やること、気にしなければいけないことが多いです。 エンジニアの場合、プログラムを書く時は、その言語ごとや会社ごとに定められた「コーディング規約」だったり、「コーディングルール」に準拠したコードを書くことが求められます。 ただ、その内容は多岐に渡る為、意識していてもルールに則っていないコードを書いてしまうこともあります。 その為、ツールによる自動チェックだったり、場合によっては自動的に直してくれるツールやエディターを使っていたり、という場合が殆どでしょう。 これは私の私見にはなりますが、保育士さんが日々保育の中で気にしなきゃいけないことの量は、「コーディング規約」よりずっと多いです。 それなのに、現状、保育士さんにはそれを助けてくれるツールがありません。そしてミスが許されない。 エンジニアがちょっとインデント間違えたくらいだったら大した問題になりませんが、保育士さんの場合はそうもいかないし。
想像してみてください。60ページくらいあるコーディング規約を渡されて、「エディターの助けもチェックツールの助けもかりないで、完璧にこれに沿ったコード書いてね。」って言われたらどうします?
なんかもう、……想像しただけで気が遠い……。
自分がやってきていないことを教える??
今現在、社会に出て働いて居る人たちが学生だった頃、学校では 「与えられた問題を、教えられた通りに回答できる人が優秀」「より多くのことを知って居る人が優秀」と言われて居たように思います。 (もちろん、そうでない学校もあると思いますが。) 実は、近年の学校教育ではこの流れは変わっていて、今は「知っていることを使って自ら問題を発見・解決」できることを求められるようになってきています。 ただ「知っている」というだけではダメで、知っていることを使って、主体的に状況を改善できる、「問題」は「与えられるもの」から「自分で探し、解決するもの」に変わったのです。 上記は一例ですが、とかく、全般的に子ども自身が「主体的」に何かをすること、を目指しています。 その流れは幼児教育の現場にもやってきていて、保育園に通う子どもたちについても、「主体性」を育む教育をしましょう、ということが、新保育指針でも意識されています。
ところが、前述の通り、今現在すでに大人である私たちは、そんな教育は受けていません。先生たちは、自分が育った環境とは違う価値観・基準に沿って、教育をしていかなければならないわけです。 たぶん、それでもとっても頑張って、先生たちは、そう指導してくれるでしょう。(でも結構、不安だと言う保育士さんの声を耳にします。) 私は、それ以上に、先生以外の大人の価値観とのギャップをどう埋めていくのか、が、難しい気がしています。 せっかく、主体的に動ける子に育っても、環境がそれを許さなければその力を活かすことができません。
そういう教育を受けて来た子たちが、社会に出て来たとき、私たちは、それをちゃんと活かしてあげることができるでしょうか? (その時自分は何歳?とか考えちゃいけません!でも、意外にそんなに遠い未来じゃないんですよ。)
自分にそれができるかな?うーーーん、それくらいの柔軟性は持って居たいなぁ……そんなことを思いました。
*1:同時期に、幼稚園や認定こども園向けのバイブルと呼ばれるものの内容も変わりますが、長くなるのでそちらに関しては言及しません。。。