こんにちわ。ユニファのプロダクトマーケティングマネジャーの小林です! この記事は、UniFaアドベントカレンダー 5日目の記事となっております。
今回はじめてブログを書くので、簡単に、プロダクトマーケティングの仕事内容を紹介します! プロダクトマーケティングでは、主にこんなお仕事をしてます。
- マーケティングリサーチ(定性、定量)
- プロダクトの価値をBiz、Dev側へ発信する
- カスタマージャニー作成
- ペルソナ設計
- 事業試算
仮説検証~リリース可否のPL試算まで手広く対応してます。
さて、本題
先日、プレスリリースでも発表させていただきましたが、ルクミーシフト管理がBabytech Award 2020で、優秀賞をいただくことができました!
このような賞を頂けたのも、日ごろからご協力いただいている関係者の皆様のおかげです。本当に感謝しております。 一方、残念だったのが、ルクミーバス位置情報です。最終選考まで進みながら、受賞を逃してしまいました。ルクミーバス位置情報もよいサービスなので、よろしくお願いします!
今回は、ルクミーシフト管理、ルクミーバス位置情報ともに私が担当していたのですが、受賞に至るまでに、どのようなリサーチや情報収集をして、サービス提供に至ったのか?をご紹介しつつ、ToB領域におけるマーケティングリサーチの方法を簡単にお伝えできればと思います。
企画初期~中期(2019年5月~7月)
2019年5月頃から新規サービスの企画を開始しました。 当時、保育者ケアという保育者向けのアンケートを取るサービスの企画担当も兼務しており、それをきっかけに以下のようなことを考えるようになりました。
- 事象:アンケートを取得しても、アンケート結果をフィードバックする時間が取れないというのが課題だった。
- 要因:その理由として、管理職の先生に事務作業が集中していることが、要因のひとつであった。
- 解決策:管理職の先生の事務作業の中でも、作業ボリュームの大きいものを劇的に減らしてあげることはできないか?
まず、この解決策の方向性があっているか?を検証するために、いくつかの調査をしました。
- 既存顧客(既存保育施設)に対して定量調査(2-3問程度)
- 対象となった事務作業が本当にユーザーペインがあるかをインタビュー(2-3園程度)
- 候補になった事務作業の着手から完了までのプロセスを可視化(カスタマージャニーの作成)
<このステージで意識したこと>
- この時期の企画要件は狭めないようにする
- 対象範囲を少しずつ狭めていく
- 対象候補の中にいれたものの作業レベルのブレイクダウン(完了までにどのようなタスクがあるのか?)
- 作業レベルまでブレイクダウンしたものの中で、ペインの強度をトリアージ
こんなところがポイントだったと思います。簡易的な調査でおおよその当てだけはつけておき、その候補を深ぼってみては、やめるみたいなアクションを繰り返しました。結果、シフトのサービス企画をする際、周辺領域の知識も増えており、周辺作業も意識して企画を進めることができました。
企画末期(2019年7月~9月)
この時期には『シフト管理のサービスで企画を進めよう』と方向は決めており、その中の作業レベルまで明らかにしてました。 シフト作成の完成までの具体的な作業は以下でした。
- 配置基準を満たせているかを確認する。
- シフトに偏りがないかを確認する。
- 先生から出勤希望をシフト表に反映する。
- シフトの素案を作成する。
- 確定したシフト情報は、勤怠管理に反映される。
これまでに実施したインタビューで、シフト作成までに、複雑な条件があり、この複雑な条件を調整することが、なかなかシフトの素案が決まらない要因でした。この領域で、劇的に作業時間を減らすには、複雑な条件を考慮した作成支援(自動作成)が必要だというアイディアがでました。
とはいえ、開発を進める上では、できるだけミニマムに進めたいため、以下のような調査をここで実施しました。
- コンセプトのABテスト(シフトの自動作成があるものとそうでないもの)
- PSM(このコンセプトにいくら払ってくれるのか?)
- 定性的なコンセプト評価(暫定的なコンセプトをみたときのユーザーの反応はどうだろうか?)
- XDを使った機能評価の確認(私たちがユーザーができていてほしいと思っているであろうことはあっているか?)
コンセプトのABテストでは、A:複数の条件をいれると素案が自動作成される、B:素案の自動作成はないが、他の作業が簡略化できるという2つのコンセプトを用意しました。結果、コンセプトAがBに対して、統計的有意に上回る結果でした。
<このステージで意識したこと>
- 定量的、定性的、両側面から『このプロダクトは求められているのか?』を確認する。
- 機能やコンセプトの華やかさではなく、実際、現場に落とし込まれたときに本当に使えるものなのかをXDを使いながら確認する。
このあたりがポイントだったと思います。 自動作成という華やかなコンセプトを掲げていたものの、実際、自動作成に求めるものってどの範囲のものかというのは受け手によって大きく齟齬が生まれる箇所です。そのため、定性のインタビューを再度設け、実際の画面イメージを見せながら、どのくらいの作業まで機械がサポートしてくれるとうれしいのかなどの詳細を確認していきました。
ToB向けの調査の大変さ
ToB向けの調査の大変さはなんといっても対象者が集まらないという点です。 参考になるかわからないのですが、私たちがどのようにリクルートを実施しているかもお伝えします。
定性調査
- ① 社内で過去保育士や幼稚園教諭として勤務されたいた方に聞く
- ② 社内の知り合いから現役の保育士、幼稚園教諭を紹介してもらう
- ③ お客様の園に訪問する
- ④ お客様の園から紹介して頂く
- ⑤ 外部のパートナーにご協力をいただく
定性調査だとこんなところが現状の選択肢です。 基本は、①~④の中でなんとかご協力頂けているというのが現状です。 ただ、調査頻度が増えるほど、直近で聞きにいけるご協力者様が減っていってしまうという点やコロナ等でお伺いが難しいことなどを考慮し、定性調査では以下のような試行錯誤をしてます。
① コロナの対策ガイドライン策定
訪問する園様や対象者様にご迷惑をかけないように、ガイドラインを定めました。ガイドラインでは、園に訪問する際や弊社にご来社いただく方への配慮事項を設けてます。
② オンライン面談
調査もオンライン面談でなるべく進めるようにいたしました。コンセプト調査や簡易なユーザーテスト、デプスインタビューであれば、オンラインでの実施も行えるようになりました。
とはいえ、園の現場を見なければわからない類の調査もまだまだ多くあるため、そのあたりの調査を今後どのように進めていくかは課題として残ってます。
定量調査
- ① 既存のお客様にご協力いただく。
- ② 外部のパートナーにご協力いただく。
定量でいうと、選択肢が限られてます。 量的に検証したいときは、課題が残りますが、②の外部のパートナーが保有しているパネルには保育士や幼稚園教諭などの属性がわかるパネルもあるので、そこに配信いただくことで、調査に足る回収数を集めたりしてます。
最後に
私は、事業会社やマーケティングリサーチの会社を経て、ユニファにジョインしました。
ジョインした当初は『スタートアップは既存データをゴリゴリ分析して、特に外部の調査パネルなどは使わないだろう』と思ってました。実際には、ToBの領域の中で、新しいプロダクトを提供していく際には、基本的な調査手法を駆使しながら、事実を見つけていくという方法は、従来のマーケティングリサーチとなんら変わりませんでした。
今、チーム内では様々な分析を試したり、分析の高速化を試みてます。また、進捗があり次第、発信していければと思います。
今年も残りわずかですが、お体に気を付けて、走りに抜けましょう!