ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

改めて1on1について考える

こんにちは。年明け早々からConfluenceに蓄積されているデータを一部吹き飛ばしてしまい、すでに年末の本番環境でやらかしちゃった人 Advent Calendarへのエントリーが決まっている浅野です。そちらの顛末は喪が明けたら(=復旧と原因究明が終わり再発防止のアクションが軌道に乗ったら)改めてこのブログでもまとめるかもしれません。。。

簡単なようで掴みきれない1on1

さて、今回のテーマは1on1です。ユニファの開発チームはほとんどのメンバーが上司との1on1を毎週実施しています。私自身もメンバーとして上司として前職も含めて数多く参加してきましたが、まだ1on1の本質を掴んだという感覚は持てていません。特に上司として1on1をチームマネジメントにより有効活用していきたいという思いが強いです。最近は書籍やWebなど参考資料が増えてきた印象があり、「傾聴」「心理的安全性」「コーチング」といったキーワードや、「進捗確認だけで終わらない」「先に自分の意見を言わない」「褒める/感謝を伝える」など戦術面でのアドバイスにも多く触れることができます。それでも、「1対1で話す」以外に明確な定義がない上にクローズドな状況で行われるため客観的なフィードバックが働きづらく、結局手探りで自分なりのやり方を模索している方も多いのではないでしょうか。こうしたもやもやを抱えたなかで、昨年行われた1on1カンファレンスのセッションをいくつか視聴する機会に恵まれました。

www.conf.1on1meeting.org

視聴したのは以下のセッションです。

  • 人々がドライブするハイパーパフォーマンス1on1と失敗する1on1導入
  • 1対1の対話について心理療法から考える
  • 対話を通して紡ぐあなただけの幸福なキャリア
  • 対話のカウンセラー的アプローチ
  • 「正しい1on1」から「自分らしい1on1」に~あなたが1on1をやる意味とは~

1on1カンファレンスからの気づき

各セッションの概要は上記URLのタイムテーブルに記載があります。基本的に他の人がやっている1on1を見ることはなかなかできないので、様々な人がどのように1on1を捉え、どのように実行しているのかを知ることができるのはとても貴重な体験です。今回の視聴からたくさんの気づきがありました(下記項目をクリックすると展開します)。

組織を身体で例えると1on1は毛細血管
PurposeやValue、 目標設定や評価制度といった全社的なものが大動脈、定例ミーティングやデイリースクラム、振り返りなどチーム単位でのオペレーションが頭部や手足などの各部位の近くまで血液を届ける動脈だとすると、1on1はそこから隅々の細胞に栄養や酸素を届ける毛細血管です。毛細血管があるからこそ組織の方向性やカルチャーが細部にまで浸透し、同じく毛細血管の働きによって各所で起こっている状況をつぶさにチームや組織にフィードバックすることができます。これ自分としては1on1の位置づけがものすごくすっきり整理できたと思うのですが皆さんにも伝わるかなぁ。。。
自分なりの1on1でよい
1on1の正しいやり方を探すのではなく、自分に合ったやり方を見つければよい、という内容にはとても勇気づけられました。こちらの記事でも紹介されているように、上司に求められるコミュニケーションにはいろいろな種類があり、それら全てを一人で担う必要はなく苦手な部分は組織的にカバーできるように設計すればよいのです。
上司→部下という非対称コミュニケーションだけでなくてもよいのでは
セッションでは「対話」というキーワードが何度も出てきました。対話とは、お互いを理解してその差から新しいものを創造するプロセスです。上司と部下の関係は非対称で各メンバーが最大限輝けるようにする責任が上司にはあります。それをふまえた上で、対話自体は非対称なものではないので、1on1を通じて上司も新たな気づきを得て成長していく。そんな豊かな学びの場にしていきたいと思います。

まだもやもやしていること

セッションを通じてより深く考えることができたおかげで、まだ理解できていないこともわかってきました。「分からないことが分かる」というのは学ぶことの大きな成果の一つだと思います。

上司が行うことの限界
業績評価と1on1は切り離すべきである、というところは理解して行っているものの、上司と部下が評価者と被評価者であることに変わりはないので必ず限界はあります。この点については、過去の評価をしたいわけではなく、あくまで未来の結果をよりよくするためにコミュニケーションを通じて新たな道筋を探っている、という姿勢を毎回見せていくしかないのかなと思っています。
キャリア相談とかコーチングとかは素人には難しい
あるセッションで「二重傾聴」というテクニックが紹介されていましたが、自分にはレベルが高すぎるなぁと感じました。他の資料などでもコーチングスキルが大事、とかキャリアアドバイスも重要といったことが書かれていますが、どちらもちゃんとやろうと思うと高度な専門性が必要なものです。それらを本格的に学びたい気持ちはあるものの、その時間がなかなかとれないのが現実です。このあたりは少しずつエッセンスを取り込んでいきたいなと思います。
そもそもの信頼関係ができていない場合
どちらかが新しくジョインしたメンバーであれば1on1を通じて信頼関係を築いていくことができますが、何らかの理由で関係がこじれてしまっている場合、果たしてその両者が1on1を定期的に行うことが良い打ち手なのかどうかは自信がありません。もちろん理想をいえば上司として正面から向き合っていくべきなのですが、ビジネスである以上はROIを考える必要があり、上司以外のメンバーが行う、あるいは1on1自体をやらないという選択が合理的なケースも出てくるのではないかと思います。

まとめ

1on1で組織のすべての課題を解決できるわけではありません。人と人との対話なので相性は必ずあり、すべての人が1on1をフル活用できるわけでもないと思います。それでも、1on1を通じて各個人にフォーカスして考える時間を定期的に持つことはチームのマネジメントを効果的に行う上で欠かせないピースであり、適切に設計すれば高い費用対効果を見込むことができる施策であると感じています。

1on1のないマネジメントはエリザベスカラーをつけて車を運転する感覚に近いです(伝わるかなぁ。。。)。前は見えるのでとりあえず運転はできますが、同乗者の様子が(あるいはそもそも車に乗っているかどうかも)分かりづらいですし、他に良い道がないか、前後左右は安全か、など気づけないことも色々出てきそうです。怖くてもうその世界には戻りたくありません。これからも自分なりの1on1を磨いていき、それぞれのメンバーが活躍できる環境をつくり、自分自身も成長して、家族の幸せを生み出すあたらしい社会インフラ創りに貢献していきたいと思います。


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