はじめまして。R&Dチームの宮崎です。 普段はルクミーフォトを よりスマートにすべく画像認識の研究開発に取り組んでいます。 今回はユニファのR&DチームでJSAI2019に参加してきたので、その様子を報告をしたいと思います。
また、JSAI2019の様子はPodcastでも公開しておりますので、ご興味ある方はあわせて聴いていただければと思います。
12. AIにとっての「正しさ」って何なんだろう | UniFa Developer's Podcast
JSAI2019とは
JSAI2019は6/4(火)から6/7(金)で新潟で開催された人工知能学会の全国大会です。 近年、人工知能への注目度が非常に高まっていますが、その歴史は古く、今年で第33回目の開催になります。 事務局によると、参加者数は2,905名、セッションは750セッション、企業ブースも81社と非常に規模の大きな大会でした。 今回の人工知能学会ではユニファもプラチナスポンサーとなり、ブースを出させていただきました。
ユニファブースの様子
企業ブースが集まるホールの様子です。かなり多くの人が来場され、通路を歩くのもやっとという感じでした。 その中でユニファブースはホールの一番奥でした。 一見奥まった微妙な位置ですが、隣に無料のスナックコーナーがあったおかげか、かなり多くの方にご訪問いただくことができました。
当初、保育とAIの組み合わせはあまり見かけないキーワードのため、訪問いただく方も少ないだろうと考えていました。 しかし、予想に反して多くの方が足を止めて話をしてくださり、有用な意見交換ができました!
聴講セッション
研究事例を知るため、セッションについても聴講してきました。どれも立ち見が出るほどの盛況でしたが、その中から2つほど紹介します。
畳み込みニューラルネットワークを用いたビール缶パッケージの好意度予測及び要因の可視化
ビールのパッケージデザインに関する研究です。 従来は複数のデザイン案に対し消費者の好意度調査を行われてきましたが、コスト削減のため、ディープラーニングを使用して以下の2点の予測に取り組まれていました。
- 好影響および悪影響を及ぼすデザインの箇所を可視化
- 好意度調査を行った場合の結果を予測
ディープラーニングでは数千から数万の教師データを用意することが多いですが、本研究では過去の調査結果が限られており、約800枚ほどの教師データのみから学習されていました。学習済みモデルを活用するファインチューニングを用いることで一定の精度の結果を得られていました。 また、通常の畳み込み層の他に、新商品や季節限定などの製品属性を全結合層に組み込むマルチモーダルモデルを構築し、ドメイン知識を活用されていました。 本研究で使用されたGrad-CAMなどの可視化手法は、一般的にディープラーニングの中身を可視化することに使われますが、過去のアンケート結果に用いることで人間の考えの可視化に用いるのは興味深いです。
保育施設へのAI導入プロジェクトの課題と展望
ユニファと同じく保育施設においてAIによる改善に取り組まれている方々の研究です。 保育現場では様々な課題がありますが、現場の保育士の方々は、課題解決への道筋が明確でないなか、日々忙しく働かれているということがわかったとのことです。 そこで本研究では、保育施設へのAI導入プロジェクトとして、以下の3つのアプローチで今後取り組まれるとのことです。
- 保育の質向上のための保育技術の指標化
- 既存のAI技術の活用
- 新たなAIシステムの開発
2019年度は、新たなAIシステムの開発に向けて、保育現場において注意すべき瞬間を記録するためのアノテーションソフトを開発していくとのことです。 ぜひユニファとしても、本研究チームのアウトプットに注目し、参考にしていきたいと考えています。
おわりに
ユニファのブースを訪れていただいた方と話しをさせていただくことで、保育の課題解決への期待や注目が大きいことを感じました。 人工知能技術は社会実装がなかなか進みづらいということがよく言われますが、積極的に取り入れ、保育の課題解決に取り組んでいきたいと思います。