ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

個別最適に陥らないために考えたこと

こんにちは。ユニファでプロダクトマネージャーをしている井口(いのくち)です。

先日、他社のプロダクトマネージャーと会話した際、「1つのプラットフォーム上で複数のチームが同時に開発*1をすると、チームごとに個別最適に陥る場合があるよね。」という話になりました。私も個別最適な選択をしてしまい、後から仕様をひっくり返してしまった苦い経験があります。

私たちは個別最適に陥らないために、どんなことができるのでしょうか?今回は私なりにたどり着いた、個別最適を抜け出す対処法をご紹介したいと思います。

個別最適を生み出すメカニズム

過去の経験や見聞きした話を元に、個別最適が発生した状況を整理すると、

  • 自分とは異なる目的を持った人と仕事をする状況下で、
  • 双方に関わる何らかの意思決定が必要な時に、
  • 相手の状況確認や前提のすり合わせが不十分だった

この3つの特徴が見えてきました。

次に、相手の状況確認や前提のすり合わせが不十分だった理由を深堀すると、

  • 自分の発言に対して、相手からの抵抗が予想されたため、話しづらかった。
  • 自分の無知を曝け出すようで、話すのをためらった。
  • 相手が自分たちに情報開示するのをためらっていた。それに自分たちは気づかなかった。

といった、対人関係に関わる不安が一因になっていることが見えてきました。

では、もう一歩踏み込んで、何が対人関係に不安をもたらすのか考えてみたいと思います。 不安について調べると、人は先が予測できない状況に置かれると不安を感じやすいそうです。これを対人関係の不安に当てはめると、「自分の発言に対する相手からの反応が予測できない状況」が不安をもたらすと言えそうです。

過去に仕事をした相手であれば、反応を予測できそうですが、一緒に仕事をしたことがない相手の反応を予測することはとても難しいと思います。

ここまでの話をまとめると、

個別最適を生み出すメカニズム
図1.個別最適を生み出すメカニズム

という個別最適を生み出すメカニズムがあると言えそうです。

小さな合意を積み重ねる

ここからは上記のメカニズムを元に、個別最適への対処法を考えてみたいと思います。

上記のメカニズムから「意思決定時に相手からの反応を予測しやすくできれば、個別最適に陥るリスクを減らせる」と考えられます。

これを対処法を検討しやすい形に言い換えると「相手からの反応を予測しやすい意思決定が行えれば、有効な対処法である」と言えそうです。

そこで私は、書籍「決断の本質(マイケル・A・ロベルト著)」で紹介されている「小さな合意を積み重ねて意思決定を行うアプローチ」に着目しました。

この本では、意思決定には「意思決定の進め方の合意」と「意思決定の結果の合意」が必要と紹介されています。

加えて「意思決定の進め方の合意」では、

  • 目標と目的の合意
  • 前提の合意
  • 決定基準の合意

というように、大きな合意を小さな合意に分割することで、相手と1度に合意する内容を小さくすることができます。そして、小さな合意を1つずつ積み重ねることで、全体としての合意が達成できると紹介されています。

相手と合意する内容を小さくすると、相手の反応の振れ幅が小さくなるので、相手の反応を予測しやすくなります。その結果、相手の反応が予測できないことで生じる不安を抑えられると考えらます。

このことから、小さな合意を積み重ねるアプローチを取ることで、相手の反応に対する不安を抑えながら意思決定できるので、個別最適に陥らずにすむのではないでしょうか。

まとめ

前半では、相手との対人関係上の不安が、個別最適を引き起こすというメカニズムを見てきました。後半では個別最適への対処法として、小さな合意を積み重ねて意思決定を行うアプローチが、対人関係上の不安を抑制し、個別最適に陥らずにすむという考えをご紹介しました。

私も引き続きこのアプローチを取っていき、個別最適に陥らないようにしたいと思います。この記事が皆さまの助力になれば幸いです。

お読みいただきありがとうございました!

We are hiring!!!

ユニファではこんなチームで一緒に働いてくれる方を募集しております。 現在、いろいろな職種を募集中のため、「興味はあるけど自分がどの職種にマッチするか分からない」ということもあると思います。

そんな時はぜひ一度、カジュアル面談をお申し込みください。 応募者の方の考える自身の将来像、やりたいことを聞かせていただいた上で、「この職種がいいかも!」というご提案もさせて頂きます。

unifa-e.com

*1:実装だけでなく、要件定義やデザイン設計などプロダクト開発全般を指しています。