ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

プロダクトマネジメントと料理

こんにちは、プロダクトマネージャー(PdM)のサトウです。

最近、子供も大きくなり自由な時間が増えたので料理を楽しむ機会が増えてきました。 夜な夜な料理系動画を観ながら、気になる料理に挑戦しています。 先日、料理をしているとプロダクトマネジメントと料理には共通点がありそうだなと感じました。 今回の記事では、共通点と感じたことについて紹介したいと思います。

【目次】

段取り

プロジェクト管理においては、クリティカルパスという手法があります。

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この手法は、プロジェクト全体を最短時間で遂行するために、重要な作業の経路を特定するものです。 つまり、段取りを立てる際に、どの作業を優先すべきかを考えるのに役立つのです。 例えば、一つの機能をリリースする際には、上司や部下、営業、QAチームなどの他のチームや協力会社などとの連携が必要です。 さらに、個々のタスクでも前後関係があり、期限などの制約条件も存在します。これらを細かく分解すると、多くの要素がダイナミックに関係し合っています。 プロジェクトを進める際には、予定を立てて遅延なく進行させるスキルが重要であり、そのためにクリティカルパスという考え方が役立つのです。

料理においても同様の考え方が存在します。材料の調達から下ごしらえ、調理、盛り付けという一連のタスクが連続しています。 特に調理のプロセスは、順番を工夫することで効率的に進行できると考えています。 また、盛り付けにおいては温かいお味噌汁を提供するとき、冷えることがないように他の料理の出来上がりに合わせるため逆算して作る(温める)ことを考えます。 限られた時間内で無駄なく調理し、最も美味しい状態で提供するための大切な考え方だと思います。

意思決定

プロダクトの機能追加や改善に取り組む際、優先順位をつけることは非常に難しい課題です。 ユーザーの要望の多さ、商談の有利さ、新規ユーザーの獲得など、さまざまな要因がからみ合う中で、合理的な選択が必要です。 また、開発側の事情として開発リソースや予算、スケジュールなどの変数も複雑に絡んでいます。

こうした状況の中で意思決定を行う際、正解が明確ではないため、意思決定の基準(軸)に従って判断を下さなければなりません。 このような基準(軸)を持ち、プロダクトに関する意思決定を行うことは、プロダクトマネージャーの醍醐味でもあります。 その瞬間の意思決定が将来的にどれほど良い結果をもたらすかは事前にはわかりませんが、その時点で自身の意思決定プロセスを関係者に説明できることができれば、その意思決定は適切であると考えます。

また、なぜそのような意思決定をしたのかを明確に説明できることは、後で振り返る(反省する)際に非常に役立ちます。 意思決定の根拠や背景をしっかりと理解し、説明することで、より良い判断をするための学びを得ることができます。

さて、この意思決定のプロセスは、料理のシーンでも共通性を感じます。 どのレシピを選び、どの材料や調味料を使用するかを決める際にも、同じような判断が求められます。 料理系動画を見ても、同じ料理名でも材料や調理法は異なることがよくあります。 自分の予算や手元にある材料、調味料を活用しながら、美味しい料理を作るための基準を設定することが重要です。 そして、材料から調理法までを意識して料理することで、次につながっていきます。使う調味料の分量や味わいが異なることもありますし、色々と発見があります。 もちろん、そのときに美味しく食べることは重要ですが、なんとなくではなく意識して作った料理はより経験値として次に生かされると思います。

継続的改善

新しい機能をリリースする際には、その価値がユーザーにとって実際にどれほどであり、何が不足しているのかを検証することができれば、次の機能開発に活かすことができます。 こうした仮説検証を繰り返すことで、より価値あるプロダクトを形成していく進め方がSaaSプロダクトにおいては一般的です。 ユーザーの好みや外部環境の変化も考慮しつつ、一発で完璧なプロダクトを提供することは相当難しいと思われます。 そのために、最小のコストで一定の価値を提供しつつ、次に必要な価値を見つけるアプローチがMVP(Minimum Viable Product)として知られています。

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マーケットが求めるものから大きく逸脱しないように育てていくといったイメージです。 ユーザーにとっては、求める機能が直ちに利用可能でないこともありますが、プロダクト開発の側にとっては、開発コストを無駄にするリスクを軽減する進め方ができるという利点があります。

料理においては、味付けや材料の組み合わせを繰り返し調整することで、最適な料理を作り上げることができます。 味付けは基本的に足し算になりますので、入れ過ぎた塩をどうにかすることはできません。 また、個人の好みに合った味わいを実現するためには、このような試行錯誤が不可欠です。 私自身、天津飯の理想の味を探求していますが、何度試してもなかなか理想に近づきません。 味覚を的確に言葉で表現するのは難しく、ネットで情報を探そうにも探し方がわかりません。 これについては実際に料理を繰り返し行いながら、最適な味を見つけ出すしかないのかと思っていますが、新たな楽しみでもあります。

このように、改善を積み重ねながらより良いプロダクトや料理を追求する姿勢は、共通していると感じます。

おわりに

プロダクトマネジメントと料理には共通点が色々ありました。どちらも「モノづくり」になると思うので共通性があるのかもしれません。 共通点である、段取りを考え、意思決定して、改善を重ねていくというスキルは汎用的で、さまざまな場面で役立つものだと思いました。

そして、料理を通じてこれらのスキルを身に着けることができるのであれば、それは非常に価値のある経験かもしれません。 料理においても、段取りを考えて材料を揃え、どの工程をどの順番で進めるかを決定し、味の改善を試行錯誤しながら美味しい料理を作ります。 料理から入ることができるのであれば、実は子供のうちからでも将来の仕事現場で使えるスキルを育てることができることになります。 ちょうど子供の夏休みの宿題で料理をする機会があるようなので、面倒くさがられない程度に会話してみたいと思います。

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