ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

機能削除もプロダクト価値の向上の一つだと考える理由

こんにちは、ユニファでプロダクトマネージャーをしている田代です。

ユニファではプロダクトを開発部門だけではなくビジネス部門と一緒に作り上げています。その過程の中で、とある機能を削除します、と話をしたところ戸惑いが見受けられ、機能を追加していくよりも、何かが削除される事はスッと受け入れにくいよなぁと感じました。

そこで今回は、プロダクトの価値を向上するには何も機能を追加するだけじゃない、と考える理由についてお話ししたいと思います。

そりゃそうでしょう、となる方も多いことは察していますが、ここではあくまで考えている理由を言語化してみる(自分自身も考えを見直せる)という事をテーマとしていますので、ご了承ください。

機能の削除は難しい

プロダクトの開発において、機能を追加していく話に注目されがちですが、使われていない機能を削除することも同様に重要だと考えています。もちろん、無闇に機能を削除するのはあり得ない話です。ユーザーに喜んでもらうために機能を追加することは最も一般的な方法だと思いますが、一方で、一度機能を追加すると削除する難易度は高くなります。

  • ステークホルダーが多いとその分抵抗感も高まり、目線合わせが難しい
  • ユーザーから「操作しにくい」というクレームはあっても、「機能を削ってください」という声は少なく、機能を削除することの正当化がしにくい
  • 機能を追加したことで、他の機能との依存関係や互換性が生まれ、削除するときのコストも高くなる
  • 削除したことの定量的な成果の評価がしにくい
  • 機能を削った場合に、既存ユーザーからクレームが出るのではないかという不安が出る

機能追加 vs 機能削除のアイデアがあった場合、本能的に機能追加が優先されがちになるので、もしかしたら機能を追加していくことよりも削除することの方が難しいのかな、と思います。

だからこそ、常に「そもそもなぜこの機能が必要なのか?」という問いを繰り返して、本当にユーザーにとって必要なものを徹底的に追求してシンプルな形で提供することが大切なんだな、と考えます。

機能を削除することのメリット

次に機能を削除するとどんな価値があるのか、というテーマについて考えてみます。

自分なりに理由を整理してみると、

  • ユーザーがコアな体験に集中できる

ユーザーはシンプルで使いやすいプロダクトを求めているので、不要な機能や操作が残され続けていると、プロダクトの複雑さや操作の難易度が増す可能性があります。不要な機能や操作を削除することで、ユーザーは迷うことなく最短距離で集中してコアな体験ができるのかと思います。

  • ユーザーにとって価値のある機能を提供しやすくなる

不要な機能や操作が削除され、シンプルなプロダクトが作られると、既存の機能との関係性を考慮する時間が少なくなり、多くの時間が使えるようになることで最短でユーザーに価値を届けやすくなるのかと思います。

  • 開発生産性が上昇する

機能が多いほど、機能同士の依存関係や互換性が生まれ、プロダクトに手を加える際の考慮事項が増え、開発の妨げになることも少なくありません。不要な機能や操作を削除することで、本当に提供したい機能を開発する際の効率が最大化できるのかと思います。

そのため、「とりあえず残しておく」という姿勢は「正義」ではなく、上記のメリットを阻害する「悪」となり得るのかもしれません。もしユーザーにとって価値がない機能を見つけたら、「この機能を残しておくことのメリットは何か?」を自分自身に問いかけたいと思います。

機能削除を検討する時に気を付けていたこと

「どうして削除するの?」とステークホルダーが多いとなかなか認識が合わない場合が多かったりします。冒頭で「とある機能を削除します」と発言して戸惑いがあった件について、自分がどのような点に気をつけて進めていたかでいうと、

  • 「なぜ削除するのか?」という目的や背景を一つ一つ丁寧に言語化した

です。当たり前ですが、これがすごく重要だと思っています。 ユーザーの視点に立った場合どうなのか?という視点も交えてコミュニケーションしていくと自然と目線も合って、前向きな状態で進めることが出来たと思います。

より良いプロダクトを目指して

結局のところ、やはりバランスが一番重要で単純な法則や方程式はないのだと思います。ユーザーのニーズや市場は常に変化していくので、それに応じて都度最適化していくことが重要なのかと思います。

より良いプロダクト、より良いユーザー体験を提供するためにも、最近は「もしゼロからプロダクトを作り直すとしたら、最初に必要な機能は何か?」を自問自答しています。

これからもできるだけシンプルで使いやすくコアな体験に集中できる価値あるプロダクトを目指していきたいです。

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