ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

プロダクトの機能追加・改善案の優先順位づけについて

こんにちは。プロダクトマネジメント部PdMの小谷田(こやた)です。

去年12月14日のAdvent Calendarで「リアル小谷田さんに会ったことない」と申し上げましたが、なんと今年のお正月に近所の神社に初詣に行った時に会いました!

お守りをいただく時に、、
 私「すぐそこに住んでるんですよ〜」
 神社の方「そうなんですか、お名前はなんておっしゃるんですか?」
 私「小谷田です」
 神社の方「おー小谷田さん、こちらにもいますよ」
 別小谷田さん「こんにちは」
みたいな感じでした。びっくりです。

さて、今日は『プロダクトの機能追加・改善案の優先順位づけについて』お話したいと思います。

機能追加・改善案ってどうやってでてくるの?

私の経験からすると『利用者さまからのご要望/ご意見』からか、『プロダクト開発サイドの思い』から出てくるケースが大体です。

しかし、それらが『他の利用者さまにニーズがあるのか?』が気になるところかと思います。いざ実装・リリースしてみたら実は少数にしかニーズがなかった、というケースはビジネスとしては避けたいというわけですね。

もちろん、その少数の方々に喜んでいただけるということは大変嬉しいことかと思いますが、ビジネスを行っている以上『より多くの利用者さまにご利用いただく』という視点は欠かせないかと思います。

参考1 "狩野モデル"

ここで、参考になる考え方をご紹介します。"狩野モデル"です。

狩野モデル(かのうモデル)は、顧客満足度に影響を与える製品やサービスの品質要素を分類し、それぞれの特徴を記述したモデルである。1980年代に東京理科大学教授であった狩野紀昭によって提唱された。マーケティングや品質管理の分野に対して多大な影響を与えたモデルであり、世界的にはKano Modelとして知られる。
※ Wikipedia 狩野モデル - Wikipedia より引用

品質を5つに分けて考えるという考え方です。

狩野モデル図(小谷田作成)

下記説明は私の意訳と例になります。

①当たり前品質

サービスを提供する上で最低限必要な品質。
ECで言うと『購入機能』など根本に関わる品質です。

②一元的品質

充分だと満足、不充分だと不満足につながる品質。
ECで言うと『商品検索時のソート機能』などです。値段順、販売日順など役に立つソートが多いほど満足を得られ、ソートがないと不便になってしまうかと思います。

③魅力的品質

なくても困らないけれども、あったら満足を得られる品質。
ECで言うとなんでしょう、『商品のレコメンド機能』などでしょうか。商品を自分で探したい人にとってはなくても困らないものですが、あったら参考になると思います。

④無関心品質

あってもなくても満足には関わらない品質。
ECで言うと『フォントの変更』であったり、『バナーの色変更』であったり、ECの根本となる購入に関わらない部分があたるかと思います。

⑤逆品質

あると不満足を生んでしまう品質。
ECで言うと『ファーストビューで運営会社概要を表示する機能』などでしょうか。商品を探して購入したいユーザーからすると運営会社概要をいきなり表示されると不満足になるかと思います。

参考2 "ヤコブ・ニールセン博士のユーザーテスト論"

参考になる考え方のご紹介その2です。

ユーザビリティの第一人者であるヤコブ・ニールセン博士は"Why You Only Need to Test with 5 Users"の中で「5人のユーザーテストをすればユーザビリティ問題の85%が見つかる」とおっしゃっています。

下記は"Why You Only Need to Test with 5 Users"の中で紹介されている図です。8割の確率を超えたいということであれば5人以上に話を聞く必要があると言えると思います。

ユーザビリティ問題とユーザー数の相関図(Why You Only Need to Test with 5 Usersより引用)

またニールセン博士は同サイトの中で「3人のユーザーでもユーザー行動の多様性、特質的または一般化できるインサイト(本人も気づかない本音)の案を得ることができる」とおっしゃっています。

以上から、

~2 = ニーズは多くない可能性がある

3~4 = 中程度のニーズの可能性がある

5以上 = ニーズが多い

と言えると思います。

この件数に関しては注意が必要です。仮に件数2としても、それが2/5の2件なのか、2/2の2件なのかによって変わってきます。後者の場合、もしかしたら他にもでてくる可能性もありますので、母数や質問の仕方を加味して判断する必要があります。上記で「可能性がある」と書いているのはそのためです。

また「ユーザーテストをそう何回も実施している余裕がない!」という方もいらっしゃると思います。その場合、利用者さまからいただくご要望やご意見の数で判断すれば良いと思います。(ユーザーテストとご要望ご意見は実施方法が全く違うので飽くまで参考ということで)

2つの参考をかけ合わせると、、

上記2つの考え方を合わせると下記のマトリクスを組むことができます。

狩野モデルとニールセン博士の考え方のマトリクス(小谷田作成)

こちらに優先順位を当てはめていきます。下記は私の主観による優先順位づけです。無関心品質と逆品質は選定基準には入りませんので除外します。

狩野モデルとニールセン博士の考え方のマトリクス(小谷田作成)

このような形で2つの軸を参考にマトリクスを組むと優先順位が見えてきます。

上記の優先順位は考え方やその時の状況によって変わってくるかと思いますので適宜変えて試していただければと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。「案は沢山あるけれどもどれを採用すればいいの?」という時に参考にしていただけると嬉しく思います。フィードバックあれば是非ご連絡ください!

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