ユニファ開発者ブログ

ユニファ株式会社プロダクトデベロップメント本部メンバーによるブログです。

ブランドガイドラインを作ったらコミュニケーションの体感速度が2.5倍になった話

この記事は、ユニファ開発者ブログ Advent Calendar 2021の4日目の記事となります。

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ブランドガイドラインを作ったらコミュニケーションの体感速度が2.5倍になった話

はじめまして、デザイン部デザイナーの藤川です。
突然ですが、デザインなど制作に関わられている方でこんな経験をお持ちではないでしょうか?

「“ブランドらしい表現”を新メンバーや外部パートーナーに伝えるのにいつも時間がかかる……」
「レビュー依頼を受けて、これは違うなと感じるけど相手に伝えるのが難しい……」
「ブランドとして問題無いかジャッジできる人が限られる……」

もし特に時間が無いときに「ん〜なんか違うんだよな〜」「私は良いと思うけど●●さんがダメならダメかな〜」というコミュニケーションが生まれたら、ちょっと悲しい、いやむしろ悲しすぎてになりそうです。

時間があればじっくりお茶でも飲みながら丁寧にすり合わられるかもしれませんが、忙しいときは足を止めずに爽快に進みたいたいところ。

そこで今回は、ユニファで「ブランドガイドラインを作ったらコミュニケーションの体感速度が2.5倍になった話」をしたいと思います。

ブランドガイドラインを作るときのポイントも簡単にサクッとご紹介。
少しでもあなたのプロジェクトが加速するヒントになると嬉しいです。

ブランドガイドラインを作ったらコミュニケーションの体感速度が2.5倍になった

ブランドガイドラインを作成したことで、次のような変化がありました。

  • 外部パートナーに発注時、事前に「絶対に守っていただきたいポイント」を伝えることができた
  • レビュー依頼を受けたものに対し、なぜ修正が必要なのか言葉にしやすくなった
  • 判断に迷うジャッジでも、社歴が浅くても、明確に理由を持ってルールを設定できるようになった
  • ブランドとして最低限守らなければいけないポイントを複数メンバーが判断できるようになった

このスムーズさ、個人的にはコミュニケーションの体感速度2.5倍アップです。

しかも、ブランドガイドラインは特別キレイに作り込んだわけではなく、Googleスライドやスプレッドシートで情報を整理したレベルです。
カジュアルに作ったものでも十分に変化を感じました。

実際のルクミーブランドガイドライン
実際のルクミーブランドガイドライン

なぜブランドガイドラインがあるとコミュニケーションがスムーズになるのでしょうか?

コミュニケーションに時間がかかるのは「前提の違い」「解釈のズレ」が大きいから

人それぞれ、さまざまな「前提」「解釈」を持っています。
例えば、同じデザインや文章を目にしても

Aさんの前提と解釈
うちのブランドはユーザーさんを不安にしてはいけない。
きちんとした印象を与えたい。
このデザインや文章はちょうどいい。

Bさんの前提と解釈
うちのブランドはユーザーさんに親近感をもってもらいたい。
親しみやすい印象を与えたい。
このデザインは文章は真面目すぎる。

といった感じです。
社歴も経験も異なる複数のメンバーが関わってくると、「前提」と「解釈」の違いでコミュニケーションがどんどん難しくなることがわかります。
しかもこの「前提」や「解釈」は暗黙の存在です。
本人が言葉に出すなどアウトプットしない限りは、他者はなかなか理解することができません。

ここで「ブランドガイドライン」の出番です!
ブランドにまつわる暗黙の「前提」や「解釈」をわかりやすくアウトプットしてくれる、ありがたい存在なんです。

では、実際にどのように作成したのかをご紹介します。

ガイドラインは必要度の高いものから作成

すべてをいきなり網羅することはできないので、必要度の高いものから作成しました。

  • ブランドガイドライン
    ルクミーとは何なのか?どんな世界を目指しているのか?という大切なことを言語化したガイドライン
  • 言葉のガイドライン
    ルクミーとしてどのような声でどんな言葉を発言するか言葉の選び方のガイドライン
  • 販促物のガイドライン
    販促物の制作を早く法務的にも正しく作るためのガイドライン

などです。
会社やブランドの状況をみつつ必要なものから着手すると、より必要なところからコミュニケーションがスムーズになり効果を感じやすくなります!

ブランドガイドライン作成の流れ4ステップ

かなりざっくりですが、次のステップで行いました。

  1. 社内でヒアリングし前提や解釈のズレの発生ポイントを確認
  2. コアメンバーをワークショップなどを行いガイドラインの仮説を作成
  3. 社内の複数メンバーにヒアリングし起動修正
  4. 社外パートナーに展開し実務で機能するかチェック

そしてブランドガイドラインは終わりなきブランド活動を支えるもの。
ブランドは作っておしまいではないので、永遠にこのステップを繰り返して調整し続けることになります。

それでは、最後にブランドガイドライン作成時に注意したポイントをご紹介します。

ブランドガイドライン作成時のポイント3つ

今回、いくつか意識したことがありました。
それが次の3つです。

  1. 作成目的で目標完成度をコントロール
    今回は早くコミュニケーションをスムーズにするという目的があったため、100点満点の完成でキレイなものを作り上げることよりも、60点でも実用化できることを重視しました。
    キレイなガイドライン作りたいな〜ブランドムービーを作りたいな〜などいろいろやりたいことは出てきますが、まずは目的にあわせて目標完成度を決めることが挫折しないためのポイントです。
  2. ユーザーさんを知る
    最終的に「ルクミーってこんなブランドだよね!」と感じていただくのはユーザーさんです。
    自分たちがどうあるべきかを話すとき、ユーザーさんの存在を忘れることはできません。
    今回はユーザーさんへのインタビューとアンケート調査なども行いました。
  3. 社内外のメンバーに展開してチューニングする
    ガイドラインが理解しづらいものだと機能させることができません。
    ガイドラインを説明する機会や実際に利用する機会を通じて、誤解が生まれたり理解が難しかったりするところがないかを確認しました。
    意見を取り入れながら少しずつ調整することで、いろいろな方にとって使いやすくより効果の出るガイドラインに成長していきます。

ブランドガイドライン作成は関係者が多いので確認することも多く、地道な作業の連続だったりします。
でも、これまで暗黙になっていた「前提」や「解釈」が言語化されると、霧が晴れたようにコミュニケーションがスムーズになる清々しさを体験することができます。

言語化過程の一部
言語化過程の一部
ガイドラインは単なるルールではなく、関わる皆が創造的な対話をするためのコミュニケーションツールだと感じています。
これからもブラッシュアップを続け、体感速度をさらに3倍、4倍と上げていきたいところです!

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました!
私たちのブランドガイドラインもまだまだ完成してないところもあり、迷いながら整えている真っ最中です。
でも、この少しずつ整ってくる感じが楽しくて大好きなんですよね……!
ぜひ私も一緒にやってみたい!という方がいらっしゃいましたら仲間になっていただけると心強いです。

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