この記事はユニファAdvent Calendar 2024の4日目の記事です。
adventar.org ※ みんな書いてから入力するので今はスカスカです
こんにちは。ユニファで開発組織副本部長を務めているやまぐち(@hiro93n)です。
「専門性のある人にマネジメントしてもらいたい!」 その気持ち、わかります。
でも実際、必ずしも自分が専門性を持たないチームを支える必要が出てくるシーンはあります。会社が小さいときの社長もそうです。
来年からそういう立場になるんだよね、という方もいらっしゃるこの時期、自分の気づきをここに書いておきたいと思います。
その職種でプレイヤーとしての仕事ができる必要はない
当然プレイヤーの仕事もできるようにならなければいけない気がするものです。でも、急に来た上司兼素人が出しゃばってこられてもみんな困ります。
実際必要なのは、専門職が専門領域に時間を使えるための仕組みづくりや事務手続きの巻き取り、それから他部署からの信頼残高の転用です。
私は24年1月からデザイナー部門の部門長を担当していますが、本記事では具体的に「これは役立てたかもな」と思ったことを紹介します。
その専門性でどうありたいかを決めるのはあなたじゃない
専門家がいるのに専門性を持ったマネージャーを置けずにあなたがそこにいるという場合、必要とされるのは専門性よりも、その専門性を正しく活かすための渉外力や言語化力です。
そこが手薄だと、専門家が本来の実力以下の評価しかされなかったり、活躍の場を得られなかったりすることもあるように感じます。
デザイナーでもないのに「これからのデザイン組織はこうあるべきだ」と付け焼き刃で語っても、正直何も幸せになりません。それよりもデザイナーの今の仕事の価値を正しく説明したり、社内でさらに力を発揮できる場面を見つけて機会を作ることの方が役立ちます。
専門家であるメンバーの「今までやってなかったけど本当はこの辺やりたいのよね」と言うことを事前に聞いておくことも当然必要です。ただ、機会があればすべて取りに行けばいいという話ではありません。
普段忙しい中でさらに守備範囲を広げるのであれば、誰かの押しつけよりも自分の「やりたい」を軸にしないと色々と歪むためです。
自分たちのスゴイと、人から見たスゴイを擦り合わせる
専門外の人がいなくても「自分たちのスゴさは語れるよ」という話もあると思います。一方で「うちの経営陣は〇〇の価値を理解してない!」と荒ぶる人たちを見ることもあるでしょう。そういった場合、いまここで必要なスゴさが擦り合っていない可能性があります。
専門外だからこそ「PdMから見たらデザイナーってここがスゴイと思うよ」と語れます。仮に相手がそれを納得してくれなくても、「PdMが思うスゴさ」という事実は変わりません。
対象が営業でもカスタマーサクセスでも経営陣でも同じで、外から見たスゴさと実際のアウトプットが紐付いていれば「デザイナーはスゴイな」になります。相手の評価に自分の評価を依存するなという考えもありますが、専門家としてもっと頼りたいと思ってもらえることにマイナスはないはずです。
そんな社内営業をひたすら続ける中で、少しずつデザイナーを頼る人が増えてきました。デザイナーに頼っていいのね、と言う空気もできてきました。
そうして気づけば今年のデザイン組織は全社Valueの見直しや保育AIサイトのコンセプト設計、新規領域のUXリサーチのリードなど、攻めも守りも頼られるチームになっていたのです。 www.wantedly.com lookmee.jp
ここまでのつもりではなかったですが、思ったよりも忙しくなってしまってそれはそれで申し訳ないなという部分もありますが、結果良かったのかも・・・・?と今は思います。
「こういった需要があり、ここならデザイナーは活躍できる」という擦り合わせをしたことが結果的に良かったと感じます。現場の専門家のやる気や能力を正しく事業に紐付けることがマネジメントの仕事なのです。
まとめ
デザイン部門の前はQA部門をマネジメントしていました。最初の頃は無理にプレイヤーとしてのQAを理解しようとJSTQBの勉強もしていた時期があります。意味が無かったとは言いませんが、でも、ずいぶん遠回りの努力でした。
実際組織に貢献できたかもなと感じたこととしては、QAの必要性や価値を言語化し、周囲に話して理解を得たり、そこから具体的な予算を獲得したことです。
そう考えると、自分が専門性を持っていないチームを支える時に必要なのは、まず自分が専門外の人間として「あなたたちの何がスゴイのか」を言語化することなのかもしれませんね。
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